石田歯科
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★ コーラを歯に漬けると、、、?

2023年8月29日

カリエスブック 著 伊藤直人

 

上の写真は、コーラに歯をつけて経時的に撮影したものです。

コーラに含まれる酸で歯が溶け、小さくなっているのが分かります。

酸蝕症の原因で多いのは飲食物に含まれる酸ですが、飲み物の場合は、患者さんが習慣的に摂取していて歯に悪いと自覚していことが多いものです。

 

清涼飲料水、スポーツドリンク、ジュース、お酢、栄養ドリンク、酒類など酸性の飲料は私たちの身近にあふれていて、それらにはクエン酸、リン酸、酢酸や乳酸などが含まれています。

 

酸性の飲料を飲むとすぐに、歯面のpHはエナメル質が脱灰し始める臨界pHを下回ります。

通常、酸性の飲料は酸味があるため唾液がたくさん出て、唾液が届く部位では6分程度でpHが中性に戻ります。(の見方や唾液の量によりpH緩衝能には個人差があります)

唾液の緩衝作用が及びにくい前歯部や修復物の直下などでは、酸による影響を長く受け続けます。

ちびちび飲みも同様です。また、糖が含まれている飲料では、二次的にpHが下がり続けるので、より注意が必要です。

★ 酸蝕症の原因

2023年8月28日

酸蝕症もう蝕と同様、さまざまな因子が相互に影響しあいながら、時間をかけて進行していきます。

それを表しているのがLussiの図です。

外側の円は酸蝕のプロセス全体に影響する因子で、内側は口腔内における因子を表します。口腔内における因子には、唾液や飲食の習慣、口腔衛生など患者に関わる因子、pHや緩衝作用、酸の強さなどの飲食物に関わる因子があります。

 

患者さん自身は酸蝕症の原因に気づいていないことが多いため、症状や口腔内所見から原因を把握し、食生活や歯磨きなどに関する適切な知識を伝える必要があります。う蝕と同様、歯面の修復処置だけで治療を終わらせるのではなく、原因を改善することが重要です。

 

 

カリエスブック 著 伊藤直人

★ 酸蝕症ってなに?

2023年8月26日

歯が溶ける疾患はう蝕だけではありません。飲食物、薬剤、胃液などに含まれる酸が直接、歯面に触れることによって歯が溶けてしまうことがあります。それを酸蝕症と言います。

 

う蝕の部位では、バイオフィルム中の細菌が産生する酸によりpHが4近くまで下がりますが、酸蝕症を引き起こす酸はより強い酸性を示します。酸蝕症の有病率は約30%と非常に高く、日常臨床で見逃さないよう注意が必要です。

 

酸蝕症では、酸に触れる部位がダメージを受けるため、歯の咬合面や切縁が欠ける、歯頚部が削れてくるといった臨床像が見られるほか、知覚過敏を主訴として患者さんが受診されることもあります。歯面は滑沢でつやがあり、バイオフィルムの付着は見られません。酸蝕症は、バイオフィルムやペリクルの残る部位には起こりにくく、唾液が減少すると加速度的に進行します。

 

酸蝕症の患者さんには上記のような特徴的な所見が多くみられるため、視診と問診が非常に重要です。

★ 糖のまとめ

2023年8月25日

 

〇う蝕に関わる細菌は、砂糖(スクロース)だけでなく、他の糖も代謝して酸を産生することができる

 

〇多糖類のでんぷんも、加熱調理することにより細菌が代謝できる物質に変化するため、う蝕の原因になりうる

 

〇牛乳や母乳はpHが中性に近いため(乳に含まれるたんぱく質、カルシウム、リン酸の保護作用による)、う蝕のリスクは低い

 

〇う蝕リスクの低い食べ物、飲み物を知っておく

 

〇う蝕リスクを高めるのは、糖の摂取量よりも摂取回数、少量を頻回に、摂取するより、量は多くても回数が少ない方が良い

 

〇頻回に飲食すると、脱灰している時間が長くなるため、一日の飲食は4回までに

 

〇食後に数回うがいをしても、pHは中性に戻らない。

 

〇糖アルコールはう蝕にならない

 

〇キシリトールガムは、咀嚼による歯根膜への刺激と甘い味で唾液がでることにより、間接的にカリエスコントロールに働く

★ キシリトールはなぜう蝕予防になるの?

2023年8月23日

代用甘味料の中で最も一般的に知られているキシリトールは、ガムの原材料としてよく使われていますが、どのような効果があるでしょうか?

まず、キシリトールのう蝕予防効果を報告した研究の多くは、バイアスが大きくエビデンスの質が低いということを知っておく必要があります。

キシリトールは、細菌が代謝しても酸が作られない上に、甘くて唾液が出るため、唾液の緩衝能でpHが回復する効果があります。細菌に直接働きかけて酸産生を抑制するわけではありません。つまり、キシリトールガムを食べると、歯根膜と味覚への刺激により唾液が出て、唾液の緩衝能により間接的にう蝕をコントロールできるのです。

これは、他の糖アルコールを使用したガムでも同様です。マルチトールやソルビトールなどの糖アルコールからは、細菌の代謝により臨界pHを下回らない程度のわずかな酸が産生されますが、すぐさま唾液が中和するためう蝕にはつながりません。

★ 甘いものを食べてもすぐうがいしたら大丈夫?

2023年8月19日

「甘いものを食べても、ブクブクうがいをすればむし歯は大丈夫でしょ?」という患者さんがよくいます。

ジュースを飲んでも、飴をなめても、すぐにうがいをすればう蝕にならないのでしょうか?

うがいによる口腔内のpH変化を調べた研究があります。口腔内のバイオフィルムを成熟させ、3%スクロース溶液で洗口してpHを下げてから、水で10秒間の洗口を10~60秒ごとに繰り返しました。その結果、pHが中性に戻るまでに、平均で15回も洗口しなければなりませんでした。

 

甘いものを口にするたびに10秒間のブクブクうがいを15回も行うのはあまり現実的ではないので、他の方法で口腔内のpHをコントロールする必要があります。

 

カリオロジーの研究では、無味のパラフィンガム(咬合採得するときに使うパラフィンワックスのようなもの)を噛んで、唾液を出すことでバイオフィルム中のpHを中性に戻しています。代用甘味料を使ったガムも、同様の効果があります。

得に、就寝時は唾液分泌量が低下するので、就寝前に飲食した時にはうがいではなく必ず歯を磨きましょう。

★ う蝕リスクを高めるのは糖の量?回数?

2023年8月18日

カリエスコントロールのために糖の摂取を減らすことはもちろん重要ですが、う蝕により大きく影響するのは、量と回数のどちらでしょうか?

 

カリオロジーの正解で有名な約70年前の研究、Vipeholm studyを見てみましょう。

精神病の成人患者に5年間、砂糖を含んだ様々な食品を量や回数を変えて摂取させ、う蝕の発生と佐藤摂取の関係を調べました。

 

患者たちは口腔清掃不良であったため、砂糖の摂取量が多いうえに間食でも砂糖を摂取した患者にはう蝕が非常に多く認められました。その一方で、砂糖の摂取量が多くても、食事の時のみまたは4回までの患者では、う蝕の発症は見られたものの、増加はゆるやかでした。

また、細菌のシステマティックレビューによると、フッ化物が使用されている今日では、糖の摂取量とう蝕発祥の相関性は弱いとされています。糖の摂取に関しては、量よりも回数増加の方が、う蝕の重要なリスクと言えるでしょう。

★ 母乳はう蝕の原因になるの?

2023年8月8日

乳歯の臨界pHは約6で、成人のエナメル質よりも脱灰が起こりやすいため、より注意が必要です。母乳の中にはラクトースという糖が含まれており、細菌はラクトースを代謝して酸を出すことができますが、母乳はう蝕の原因になるのでしょうか?

2日間成熟させたバイオフォルムにおいて、牛乳、母乳、7%ラクトース、7%スクロースを口に含んで保持させたときのpHが乳歯の臨界pH6をやや下回りました。ところが、母乳のpH最低値は6.3、牛乳では6.4と、いずれも臨界pHを上回りました。これは、乳に含まれるたんぱく質、カルシウム、リン酸の保護作用のためと考えられます。水やお茶と同じように、牛乳や母乳はう蝕リスクのない飲み物と言ってよいでしょう。ただし、う蝕リスクのない飲み物も、就寝前の歯磨きをした後に飲むと、歯面のフッ化物を洗い流してしまうので、カリエスコントロールの観点からするとお勧めしません。

★ ポテチはアウト?セーフ?

2023年8月4日

ポテトチップスやおせんべいなどの甘くないお菓子やおにぎりは、多糖類のでんぷんが主成分で、砂糖は使われていません。これらはう蝕の原因になるのでしょうか?

 

生のでんぷんと調理したでんぷんを食べた後にプラーク中のpHを計測した研究では、生のでんぷんを食べた後にはpHが臨界pH以下にならなかったのに対し、調理したでんぷんでは臨界pHを下回りました。これは過熱することによりでんぷんが変性して唾液中の酵素(アミラーゼ)で分解されやすくなり、細菌が代謝できるマルトースなどが生成されるためです。

 

また別の実験では、ポテトチップスを食べた後の歯間部のプラークでpHを計測しています。付着して間もないプラークではpH はさほど下がりませんが、5日間熟成させたプラークでは臨界pHを大きく下回り、pH4.5付近まで下がりました。

 

何日もプラークが付着した状態だと、ポテトチップスのようなでんぷん主体の甘くない食べ物でも、う蝕を引き起こすと考えられます。

★ はちみつはう蝕にならない?

2023年8月2日

患者さんの中には、砂糖(スクロース)のみがう蝕の原因で、はちみつや果汁、水飴はう蝕にならないと思い違いをしている方がいます。正しい情報をお伝えしましょう。

 

ハチミツ;花の蜜のスクロースという糖を八の酵素でグルコースとフルクトースという別の糖に分解したものです。抗菌作用があっても、糖がとても多いので、砂糖と同様にむし歯の原因になります。

 

水飴:でんぷんを酸や酵素で分解し、糖の混合物(グルコース、マルトースなど)にしたものなので、むし歯の原因となります。

 

果汁100%のジュース:砂糖を加えていなくても、果物には天然にグルコース、フルクトース、スクロースなどの糖が含まれていて、果汁や濃縮還元果汁、果汁パウダーなども虫歯の原因になります。

 

さまざまな糖の溶液で洗口した際にバイオフォルム中のpHを見てみても、ラクトース、グルコース、マルトース、スクロースのどれも臨界pH5.5を下回り、う蝕の原因になることが分かります。

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