★通院初期
2022年11月21日
➀院内や機器、スタッフの身だしなみが清潔
歯科医院では、尖った器具で歯周ポケットを計測したり、
歯石をこそげ取ったり、歯肉をメスで開いたりという処置が日常的におこなわれています。
感染の危険と隣り合わせの処置ですから、清潔は基本中の基本。
歯科医師やスタッフには感染防止に対する高い意識が求められます。
治療台(ユニット)の周辺、治療器具、トイレなどに汚れが付きっぱなしになっていないか、
ホコリがたまっていないかなど、チェックしてみましょう。
歯科医師やスタッフの身だしなみに清潔感があるかどうかも目安になります。
一度落とした器具をそのまま使われた、1人の歯科医師が2人の患者さんの治療を
手も洗わずに交互にやっていた、歯石をとってもらっているとき歯科衛生士の束ねていない長い髪が
口の中に入ってきた、そんな歯科医院はやめたほうがいいでしょう。
②治療計画を説明してくれる
歯周病の治療は、急性期の症状を改善するだけでなく、
セルフケアと定期検診による維持管理に至るまで、
一生歯を守っていくことを見据えて続けていく長丁場です。
それにもかかわらず、とりあえず症状がおさまったからもういいやと通院しなくなり、
結局悪化させてしまう患者さんも多いのです。
ここで重要になるのが治療計画。
いきなり治療を始めるのではなく、まずエックス線画像を示しながら検査で分かった現状を説明し、
治療の流れやなぜその治療が必要なのか、
どのくらいの期間・費用が掛かるのかを理解してもらうことで、
患者さんが治療から離脱するのを防ぐことができます。
なお、治療計画は歯科医師から患者さんに一方的に押し付けるものではありません。
通院頻度や費用といった患者さんの希望も配慮し、練り直しに応じてくれるのが良医といえるでしょう。
患者さんの同意を得た上で治療をスタートすることが大切なのです。
③自由診療は見積もりを出す
歯科医院の中には、健康保険でやるよりも健康保険のきかない自由診療でやったほうが
いい結果を期待できるものが少なくありません。
わかりやすい例で挙げると、入れ歯です。
健康保険の入れ歯の場合、費用は抑えられますが、使える素材が決まっているため、
口の中で馴染みにくい、入れ歯であることがわかってしまうなど
さまざまなデメリットがあります。
自由診療は素材に制限がなく自分の希望に合ったものが作れますが、費用は高くなります。
それぞれの治療のメリット、デメリットなど情報を患者さんに伝えた上で相談に乗ってくれる歯科医師、
さらに自由診療の場合は費用がいくらかかるのか、
見積もりを出してくれる歯科医師は良心的といえるでしょう。
あいまいにしか答えてくれないところは避けた方が無難です。
★受診する前
2022年11月19日
➀通いやすい場所にある
歯科医師選びでは治療の中身が大事ですが、通い続けるにはモチベーションが必要です。
これまで歯に対して意識が低かった人にとってはなおさらでしょう。
治療が一段落してメンテナンスに移れば、3カ月に1回、
というように頻繁に通院しなくてもよくなるものの、
それでもやはり遠い、行きにくい歯科医院だと、足が遠のいてしまいます。
むしろ症状がひどいときは遠くても必死になって通うけれど、
おさまると優先順位が下がって面倒になるもの。
とくに仕事をしている人は、日常の行動範囲から歯科医院が離れていると通院をさぼりがちになります。
そこで、最初に受診する歯科医師を絞り込むときには、
自宅や通勤先の近くなど通いやすいところで探してみましょう。
②歯周病専門医・認定医である
大学病院の歯科は矯正歯科や歯周病外来といった専門領域にわかれています。
一方、開業医はむし歯でも入れ歯でもすべて診療しているというところがほとんどです。
一つの歯科医院で広く診てもらえるのはメリットですが、半面得意でない分野もあるという
デメリットもあるのです。
歯周病にかかっているのに歯周病治療が得意でない歯科医院を受診してしまうと、
間違ったメンテナンスをされて治るものも治らない、
場合によっては悪化してしまうということにもなりかねません。
では、歯周病に詳しい歯科医師をどう見つければいいのでしょうか。
歯科医院が看板に掲げていい診療科目は一般歯科、小児歯科、矯正歯科、口腔外科の
4種類と法律で決まっており、
看板からはその歯科医院が歯周病を得意としているかどうかはわかりません。
一方、インターネットの歯科医院のホームページについては、こうした表記の制限がありませんが、
それが災いしてほとんどの歯科医院が歯周病治療を得意としていなくても診療科目にとりあえず
歯周病治療と記載しているのであてになりません。
ただし、歯周病専門医、あるいは歯周病認定医と書かれていれば、
歯周病に詳しい歯科医師がいると判断しても大丈夫です。
これらは、日本歯周病学会および、
日本臨床歯周病学会の厳しい基準をクリアした歯科医師に与えられる資格です。
また、歯周病専門医は厚生労働省から広告できる資格名として認められています。
歯周病専門医、認定医ではなくても歯周病に詳しい歯科医師はいますが、
これらの資格持っていることは一つの目安になるでしょう。
とくに歯が揺れているなど歯周病が中等度以上に進行して、高度な治療が必要な人は、
歯周病専門医・認定医にかかるようにしてください。
③受付や電話の対応がしっかりしている
候補の歯科医院を絞り込んだら、まず電話をしてみましょう。
院長のスタッフ教育が行き届いているところなら、受付や電話の対応もしっかりしているはずです。
診療にかかる時間や費用など気になる事を聞いてみてください。
症状を聞いて急を要すると判断したら、
早めの受診を勧めてくれる場合も良心的な歯科医院といえるでしょう。
④予約制で十分な時間をとってくれる
予約制でない歯科医院で、長く待たされたあげくに短時間しか治療してもらえなかったという
経験をしたことはありませんか。
歯周病の診療は、歯周ポケットの計測や口の中の状態のチェック、
ブラッシング指導など時間がかかりがち。
ある程度計画的に時間を確保しなければ、十分な治療ができません。
とくに健康保険で診療している歯科医院の場合は、
かぎられた時間で効率的に治療する必要があるため、
1人の患者さんに長い診療時間を当てられない場合が多くあります。
予約制をとる理由は、患者さんを長く待たせてイライラされないようにするためと考えられがちですが、
スタッフはそれぞれの患者さんに合わせた準備をしておくことができ、
その日おこなう処置に見合った時間を確保することができます。
必要な治療を計画的にしっかりおこなうためのシステムでもあるのです。
★いい歯科医師を見抜くポイント
2022年11月18日
〇受診する前
➀通いやすい場所にある
②歯周病専門医・認定医である
③受付や電話の対応がしっかりしている
④予約制で十分な時間をとってくれている
〇通院初期
➀院内や機器、スタッフの身だしなみが清潔
②治療計画を説明してくれる
③自由診療は見積もりを出す
〇診療開始後
➀患者さんの質問には必ず答えてくれる
②手鏡を持たせてみせてくれる
③メンテナンスの患者さんが多い
④熱心で腕のいい歯科衛生士がいる
⑤自信がない治療は他の歯科医師を紹介する
⑥定期検診の案内がしっかりしてる
⑦歯だけでなく全身の健康指導をおこなう
⑧しつこく禁煙を勧める
すべてが当てはまるわけではありませんが、参考にしてみてください!
★一生モノの歯科医師とは・・・②
2022年11月16日
〇患者さんのことを1番に考えるのが、いい歯科医師の基本
そもそも信頼のおけるいい歯科医師とは、どのような歯科医師なのでしょうか。
基本の基本は、患者さんのことを1番に考える歯科医師であること。
これは歯周病にかぎらず、小児歯科やむし歯、歯科矯正といった歯科医療全般に通じるものです。
患者さんに感染が起きないように清掃や滅菌は徹底しよう。
患者さんが一生自分の歯で噛めるように、時間をかけてブラッシング指導をしよう。
このように、歯科医師の患者さんを思う気持ちは、院内の清潔や説明、治療、指導など、
あらゆる場面に反映されるものです。
〇歯科でもセカンドオピニオンの活用を
誰だっていい歯科医師にかかりたいに決まっています。
よく患者さんから先生は自分や家族が歯科治療を受けなければならなくなったとき、
どうやって主治医を見つけるんですかと聞かれることがあります。
歯科医師の場合は歯科の知識はありますし、歯科医師同士の長年の付き合いの中で人柄や知識、
技術力、どのような方針で治療をしているのかなどをある程度わかっているので、
信頼できる歯科医師を見つけるのはそれほど難しいことではないのです。
しかし、歯科医師の知り合いがいない、
歯科にかかわる詳しい知識もない患者さんが良医を探し出すのは大変なこと。
また、多くの患者さんが良医と認めるような歯科医師であっても、
その患者さんとは相性が合わないケースも多々あります。
まず、ある程度絞り込んだ1軒を受診し、その歯科医師と話してみましょう。
1軒目で納得できればよし、何か合わないと感じたら、別の歯科医師を受診して意見を聞いてみる、
そうやって自分が納得して通うことができる歯科医院を見つけるしかありません。
また、現在かかっている歯科医師以外の歯科医院に意見を求めるセカンドオピニオンでは、
セカンドオピニオンを聞いてみたら、主治医の説明が納得できるものだと思えたなどと、
主治医に対する信頼を深めるケースもあります。
歯周病は治療で症状が改善しても、いい状態を保ち続けるにはその後も定期的なメンテナンスが必要です。
一生付き合うつもりで、歯科医師を選んでください。
★一生モノのいい歯科医師とは・・・
2022年11月14日
〇歯科医師選びにはほとんどの人が苦労している
歯科医院に通院している患者さんの中には、
これまで5件、10件と歯科医師を変えてきた人がたくさんいます。
むしろ最初に受診した歯科医師が自分にピタリと合い、
気に入ってずっと通い続けているほうが稀なのではないでしょうか。
歯科医師を変更した理由はさまざまですが、中でも多いのは、
治療に納得できないというケース。
初診の段階でここで治療を続けるのは不安、合わないと感じることもあれば、
治療が進む中で納得がいかないことが出てくる場合もあります。
※歯周病の知識が乏しい歯科医師を受診してしまった患者さんの悲劇
歯周病の場合、残念ながらあまり歯周病の知識がない歯科医師が間違った治療や指導をして、
かえって悪化させてしまったというケースがあるのは事実です。
A子さんは、4カ月にわたり歯科医院に通っていたにもかかわらず、
歯周病が進行して4本の歯がグラグラに。
おかしいと思い、歯周病専門医の資格を持つ歯科医院を受診しました。
すると前に通院していた歯科医師がおこなっていた歯周病の治療は歯の表面の汚れを落としていただけ。
歯石はまったくとれていなくて、専門医から見たら、とても歯周病の治療とはいえないものだったのです。
A子さんの場合、なんとか残せそうな歯は再生治療をして、
どうしても救えない歯は抜くことになりました。
歯を失うのは誰にとってもショックです。
患者さんにしてみれば、せっかく通っていたのになぜと悔しかったことでしょう。
一方50代の男性はよその歯科医院で、歯周病がどうにもならないくらい悪化しているから、
すぐ抜歯してインプラントを入れるしかないと言われたと、
セカンドオピニオンを求めて駆け込んできました。
抜歯が避けられないケースもあり、抜かない歯科医師=いい歯科医師ではないのですが、
良医であれば高額なインプラントありきの抜歯ではなく、
他の選択肢も含めきちんと説明してくれるはずです。
実際、歯周病専門医が診察してみると、歯の揺れはあるもののまだ抜歯する段階ではなく、
手術で歯肉の奥についた歯石を除去することで十分回復が見込めました。
結局、患者さんは歯周病専門医のいる歯科医院へ転院することになり、
治療に時間はかかったものの、抜歯することなくいい状態を保っています。
一度失った自分の歯はもう戻らないので、しっかりと話を聞き判断しましょう。
★ブラッシングを続けるコツとは・・・
2022年11月12日
歯周病の予防や治療ではていねいなブラッシングを毎日続けることは不可欠ですが、
短時間ブラッシングで済ませていた人や、そもそも磨いていなかったという人にとっては、
10分間もブラッシングするのはかなり高いハードルです。
また疲れて帰ってきたときや、酔っぱらっているときは、そのまま寝てしまう方もいるでしょう。
そこでブラッシングを続けるコツをいくつかご紹介します。
すべての人にあてはまるものではありませんが、ぜひ活用してください。
・長く磨くのが苦痛な人は、お風呂に浸かりながら、テレビを見ながらのながら磨きをする
・時計の役割をするブラッシングタイムの音楽を用意し、ブラッシング時間の目安にする
音楽を聞いてるとき間はブラッシングに専念する
・お気に入りの歯ブラシやコップを用意してモチベーションを上げる
・好きなタレントが笑って白い歯が見えている写真を洗面所に貼っておく
・スマホで毎日歯の写真を撮り、比較して効果を確認する
・歯周病になってがたがたになった歯の写真を貼っておく
・スマホの歯磨き用アプリを利用する
・疲れていてどうしてもブラッシングしたくないときは、せめてブクブクうがいをする
・歯ブラシのすぐ横に染め出し剤や鏡を常備しておく
磨き残しチェックのためのグッズは、目につきやすい場所に置いておくのがコツ。
歯磨きをしている間、手は忙しく動かしていますが、目の行き場はなく暇な状態です。
そんなときにグッズが視界に入ればつい使いたくなるものです。
鏡は拡大鏡や歯科医院で使われているような柄付きの小さなミラーを用意してもいいでしょう。
★ブラッシング実践編②
2022年11月9日
〇デンタルフロスの正しい使い方
デンタルフロスは
1日1回、ブラッシングのあと使用するとよいでしょう。
★準備:フロスを指に巻く
フロスを30~40センチ取り、親指の先をくっつけた長さで両中指にフロスを巻き付けます。
基本のデンタルフロスの動かし方
➀歯肉の境い目よりちょっと下、つまり歯肉に少しかくれるまでそっとフロスを入れて動かします。
②フロスで歯の側面をこするようにして、上下に数回動かします。
同じことを隣の歯の側面でもおこないプラークをとります。
日本人はこうして歯を失っていく
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会
〇しっかり磨けているか、染め出し剤でチェック
磨き残しをチェックするのに便利なのが、染め出し剤です。
液剤やジェル剤、錠剤などがあり、最もポピュラーな液剤の場合、
綿棒にしみこませて歯に塗り、水ですすぐと、歯に付着しているプラークをはっきり確認できます。
染め出された場所は、磨き残している場所ですから、
何度か染め出してみていつも同じ場所が赤く染まるようであれば、
ふだんの磨き方を改善する必要があります。
赤く染まった場所を意識して磨くことにより、確実に磨き残しをなくすブラッシング法を取得できます。
さらに、ブラッシングの後にもう一度確認染めをして、磨く前に染まっていたところが染まらなければ
プラークはきれいに落とせたことになります。ブラッシングの成果が目に見えてわかることで、
ブラッシングに対するやる気がでるというメリットもあります。
自分でチェックする目を養うのは大事なこと。
歯科医院のブラッシング指導でも染め出しはおこなわれますが、
染め出し剤は、歯科医院やドラックストア、通信販売などで手に入れることができるので、
自宅でもやってみてください。
★ブラッシング実践編
2022年11月8日
〇歯ブラシの正しい使い方
プラークを落とすには、歯の表面と歯肉に歯ブラシの毛先を正しく当てて、
小刻みに往復運動をしていきます。
また、歯ブラシの先端側や、持ち手側の角の毛束をうまく使って、
すみずみまで磨きましょう。自己流でもきちんと全体が磨けていればいいのです。
ポイント
➀歯と歯肉の境い目に45度の角度で当て、歯周ポケットに毛先が入ることを意識する
②軽い力で細かく動かす
③一か所につき20回が目安
※前歯の裏側を磨くには、歯ブラシを縦にするのがコツ。
歯ブラシのハンドルを立てて持ち、前歯の裏側に歯ブラシの毛先を当てて、
細かく動かします。
〇歯間ブラシの正しい使い方
➀基本(ブラシを直角に入れる)
歯と歯の間に、まず表面(頬側)から直角に歯間ブラシを入れます。
そのとき、歯間ブラシの先端は歯肉から離して挿入してもよいです。
一度手をゆるめ差し込んだ方向を確認し、ブラシを前後に動かしてプラークをかき出します。
②局面に合わせてブラシの角度を変える
次に挿入した歯間ブラシの角度を変えて、奥から手前に斜めに向けてブラシを入れ、
前後に動かします。ブラシの毛先をきちんと歯の表面に当てて動かしていないと、
プラークを取り残す原因になります。
③反対の角度からも挿入し、同様に磨く
歯間ブラシの角度を変えて、手前から奥に斜めにブラシを入れるようにして、
同様に磨きます。おわったら、今度は裏側(舌側からも)ブラシを挿入していきます。
日本人はこうして歯を失っていく
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会 より
★ブラッシング道具紹介②
2022年11月5日
③歯間ブラシとデンタルフロス
歯間ブラシはつま楊枝のような細い針金に清掃のための毛が付いたブラシ状の道具で、
歯と歯のすき間に差し込んで使います。
さまざまな太さのものが市販されていて、細すぎるとプラークがとれず、
太すぎると歯や歯肉を傷めたりする恐れがあります。
すき間の大きさに合わせたものを選んでください。
サイズがわからないときは、歯科医師に相談しましょう。
デンタルフロスは、歯と歯の間に入れやすいように糸にワックスをコーティングして
滑りを良くしたものが主流です。
ワックスをコーティングしてないものはノンワックス、アンワックスと呼ばれ、
滑りが良くないぶん歯の間に入れにくいのですが、このタイプのほうがプラークをしっかり除去できます。
また、形状も、長いものを適当な長さにカットして使用する糸まきタイプもあれば、
持ち手がついたフロッサータイプもあります。
歯間ブラシとデンタルフロス、両方使う必要はなく、
歯間ブラシが歯と歯のすき間に無理なく通って動かせるのであれば、
歯間ブラシを使うと良いでしょう。
とくに歯周病で歯肉が下がると歯と歯のすき間が広くなりますから、
すでに歯肉が下がってしまっている人はデンタルフロスよりも、歯間ブラシが適しています。
歯と歯のすき間が狭く、歯間ブラシが通らない人には、デンタルフロスをお勧めします。
日本人はこうして歯を失っていく
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会 より
④歯磨き剤
歯磨き剤には歯周病を予防する成分などが含まれているため、
患者さんから歯磨き剤の量を多くした方がいいんですかと質問されることがあります。
テレビコマーシャルで歯ブラシいっぱいにしぼりだしているのを見て、
その通りにやっている患者さんもいます。
しかし実際には歯磨き剤の量を多くすると、口の中が泡でいっぱいになって、
細かいところがしっかり磨けません。
さらになんとなくすっきりするので、短時間でも磨けたつもりになってしまいがちです。
歯磨き剤の量は、チューブから5ミリほどで十分です。
あるいは、歯磨き剤をつけずにていねいに磨き、そのあと歯磨き剤を少量つけて仕上げる
二度磨きもおすすめです。
こうすれば、しっかり磨けて、歯磨き剤の清涼感も得られます。
★ブラッシング道具紹介➀
2022年11月4日
➀歯ブラシ
歯ブラシを選ぶときに重要なのは、歯肉を傷つけることのないもの、
歯垢をしっかり落とせるもの。具体的に次の5つをポイントに選んでください。
〇ナイロン毛
〇植毛が密なもの(3列が目安)
〇毛の硬さはふつうか、やわらかめ
〇ヘッドは小さめ(小回りが利き、歯肉にも届きやすい)
〇柄はストレート
患者さんから質問されることが多いのは、
毛のやわらかさはどのくらいがいいですかということ。
やわらかすぎるものは歯や歯肉に当たると毛が寝てしまって、
プラークを落とすことができません。
逆に毛が硬すぎるのものや毛先がとがっているものは、歯肉を傷つけてしまいます。
大手生活用品メーカーが販売している一般的な歯ブラシの中から、
まず普通と表示されている商品を選び、使ってみて痛いと感じたら、
それよりもやわらかめのものに変えてください。
自分にどれが合うのかわからないという人は、歯科医院でブラッシング指導を受ける際に、
歯科医師や歯科衛生士に選んでもらいましょう。
歯科医院で歯ブラシを購入することもできます。
★歯ブラシのポイント
日本人はこうして歯を失っていく
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会 より
②ワンタフトブラシ
奥歯など歯ブラシでは届きにくい場所の磨き残し対策に便利なのが、ワンタフトブラシです。
ワンタフトブラシは、スティックの先端に小さなブラシの毛束が1つだけ付いている構造で、
小回りが利くので奥まった歯や歯並びが悪くて引っ込んでいる部分もしっかり磨くことができます。