石田歯科
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★ いろいろな糖

2023年7月28日

細菌は糖を代謝した結果、歯を溶かす酸を作り出します。そのため、酸性生性のある糖は、う蝕と深く関わります。様々な糖の中でどれがう蝕に関わりを持つのか、構造による分類を基にお話しします。

 

糖は、最小単位の単糖類(グルコースやフルクトースなど)が鎖のように何個つながるかで分類されます。二糖類は単糖類が2つ結合したものです(スクロースやマルトースなど)。この単糖類と二糖類を合わせて糖類といい、細菌に代謝されると酸が産生されます。

 

多糖類は単糖類がたくさんつながったもので、細菌には分子が大きすぎてそのままでは代謝できません。唾液の酵素で単糖類に分解されると、細菌が代謝できるようになり、酸を産生します。

 

糖アルコール(キシリトールなど)は、糖類に水素が添加(還元)された構造をしています。そのため細菌が代謝するのは難しく、弱い蚕糸課出なかったり、あるいは酸が全く出なかったりするので、う蝕になりにくいと言えます。

以上をまとめて糖質と呼び、そこに食物繊維を加えて炭水化物と呼びます。

人工甘味料(さっかりんやアスパルテームなど)は甘み成分を仁奥的に合成したもので、糖には分類されません。糖とは完全に構造が違うので、細菌は代謝できません。

 

細菌の代謝という観点から、炭水化物の中でも細菌が代謝して酸産生につながる糖質を発行性糖質と言います。また、単糖類と二糖類は遊離糖(Free sugar)とも呼ばれ、世界保健機関(WHO)では全身の健康の観点から摂取量に注意するよう呼び掛けています。

 

 

★ 子供は注意! フッ化物の中毒量

2023年7月26日

う蝕のコントロールに有益なフッ化物も、一度に大量摂取すると中毒を起こし、最悪の場合は死に至ります。

 

これまで世界で起こったフッ化物関連の死亡事故は、歯磨剤の使用によるものではなく、小麦粉と間違えて粉末製剤が使用されたり、水道水にフッ化物を添加する装置の故障、洗口剤やタブレットの誤飲によるものですが、体が小さい子供にはやはり注意が必要です。高濃度フッ化合物配合歯磨剤や洗口剤は乳幼児の手に届かない場所で保管するよう保護者に伝えましょう。

万が一。フッ化物を大量に摂取してい待った時は、フッ化物は胃で迅速に吸収されるので、すぐに牛乳を飲んで中和します。あまりに大量の場合は、胃洗浄や点滴での対応が必要になることもあります。

 

フッ化物は正しく使用すれば、う蝕のコントロールに大きな効果を発揮してくれます。安全性への疑問からフッ化物の使用をためらう方には、科学に基づいた情報を客観的に伝えましょう。それでもフッ化物の使用を敬遠する方に対しては、糖の摂取を控える、完璧な歯磨きを毎日行うなど、別の方法を指導してう蝕をコントロールすることも可能です。

★ 子供にフッ化物配合歯磨剤を使っていいの?

2023年7月22日

幼少期の子供に対しては、フッ化卯物配合歯磨剤の使用に注意が必要です。萌出したての歯はう蝕になりやすいので、フッ化物により効果的なカリエスコントロールを行いたい半面、体重当たりのフッ化物摂取量が多くなることから、歯のフッ素症のリスクも考慮しなければなりません。

特に3歳までは体重も少なくフッ素症の影響で前歯に審美的な問題が現れやすいので、フッ化物摂取量に気をつけましょう。逆に第一大臼歯の萌出する6歳から第二大臼歯の萌出が完了する15歳までは非常にう蝕のリスクが高く、フッ化物の効果を最大限に利用したいところです。

以下に、推奨されるフッ化物配合歯磨剤の使用量を示します。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

カリオロジーでは、年齢とフッ化物濃度に関する考え方はさまざま、18カ月までは歯磨剤を使用しないという考え方や、500ppmでは予防効果が不確かなので3~5歳でも1,000ppmを使用するという考え方、6歳以上は1,500ppmを推奨するという考え方もあります。どれも間違いではありません。

★ 歯磨き後は口をよくゆすぐ?ゆすがない?

2023年7月21日

歯磨き後は、しっかり口をゆすいだ方が良いのでしょうか?

英国の研究で、平均12.5歳の児童3005人を対象に、歯磨き後の口のゆすぎ方の違いによる、3年後のう蝕増加率が調べられています。歯磨き後にコップを使って口をゆすぐ子供よりも、手を使って少ない水で口をゆすぐ子供の方が、う蝕増加率が16%低いという結果でした。

歯磨き後は口をあまりゆすがない方が、歯磨剤に含まれるフッ化物が洗い流されず口腔内に留まるため、う蝕になりにくいということが分かります。一度だけ、軽くゆすぐ程度にしましょう。

フッ化物は口腔内に残り続けることでう蝕予防効果を発揮するので、歯磨剤中のフッ化物濃度と同様に、口のゆすぎ方も重要な患者教育のポイントです。

★ 歯磨剤のフッ化物濃度は何%を選べばいいの?

2023年7月12日

フッ化物濃度の上限は国にって異なりますが、歯磨剤では1.000~1.500ppmが一般的です(10.000ppm=1%)。フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果は歯磨剤を使用しない状態と比べると、1.000~1.250ppmで23%、1.450~1.500ppmで29%上昇します。また、1.500ppmは1.000ppmよりう蝕予防効果が9.7%高くなります。

 

〇500ppm未満

フッ化物500ppm未満の歯磨剤は、う蝕予防効果によいてプラセボに対する有意差が認められていません。そのため、6歳未満でも使用量に注意して1.000ppmを使用するという国もあります。しかし、歯のフッ素賞やエナメル質形成不全の影響が懸念されるため、6歳未満では500ppmが推奨されます。

 

〇1.500ppm以上

より高い濃度のフッ化物配合歯磨剤を処方できる国もあり、5.000ppmの歯磨剤が16歳以上のう蝕リスクの高い患者(根面う蝕、口腔乾燥症、歯列矯正装置、オーバーデンチャー、う蝕原性の高い食事、薬物使用)に、処方されています。今後は高齢化による歯面う蝕と口腔乾燥症の増加に伴い、世界中で5.000ppmの歯磨剤のニーズが高まると考えられます。

 

〇追加のフッ化物(洗口剤・フォーム)

う蝕のリスクが高い場合、洗口可能な4歳からは225ppm、6歳以上は450ppmのフッ化物洗口、要介護の方には900ppmのフッ化物フォームのプラスケアが推奨されます。歯磨剤よりも一度に口に含む量が多く、使用後に水で口をゆすがないため口腔内に残留するフッ化物が多くなり、効果が高まります。

★ う蝕予防効果の高いフッ化物の組み合わせ

2023年7月11日

さまざまなフッ化物の効果を比較した研究を見てみましょう。

カリエスチェック

著 伊藤直人

 

歯磨剤とジェルあるいは洗口剤の比較では、う蝕予防効果に差がありません。

歯磨剤の味が苦手という方がいたら、代わりにジェルや洗口剤を使用しても同等のう蝕予防効果が期待できます。歯磨剤や洗口剤の併用はどうでしょう?歯磨剤単独よりも洗口剤を併用した方が、う蝕予防効果が7%ほど高くなります。リスクが高い方は就寝前やおやつの跡など(歯磨き以外)に洗口剤を使うと良いでしょう。

 

最もう蝕予防効果の高い組み合わせは歯磨剤とバーニッシュで、歯磨剤のみの使用に比べ48%も効果が上昇します。唾液が出にくい、露出したての歯面がある、糖の摂取回数が多いなど、う蝕リスクの高い患者さんには、自宅でフッ化物配合歯磨剤とフッ化物配合洗口剤を併用してもらうのに比べ、歯科医院でバーニッシュを塗布すると効果的です。

★ どのフッ化物製品を使えばいいの?

2023年7月8日

フッ化物はどのように使用すると高い効果が得られるのでしょうか?

世界におけるフッ化物の使用方法は、濃度によって分けられます。

 

低濃度:地域社会で提供(飲料水、塩、牛乳や小麦粉などに添加)

中濃度:個人による使用(歯磨剤、洗口剤、タブレット、あめ、ガムなど)

高濃度:専門家による使用(溶液、ジェル、パーニッシュ、フォーム、フッ化物徐放歯科材料など)

 

私たちが選んで使うことのできるフッ化物配合製品について、単独で使用した時のう蝕予防効果を見てみましょう。

 

表に示した4つの製品はすべてう蝕予防効果が認められています。その中でも、歯磨剤はバーニッシュなどに比べう蝕を予防できる割合(予防分画)がやや低いものの、研究の数も多く信頼性が最も高いことが分かります。

したがって、まずはフッ化物配合歯磨剤の使用が薦められます。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

★ フッ化物でう蝕ゼロ?

2023年7月7日

フッ化物には、う蝕を防ぐ効果があります。では、フッ化物を使用していれば、う蝕は発生しないのでしょうか?

1953~1971年にかけて、オランダで興味深い研究が行われました。

➀水道水にフッ化物が添加されていない地域(フッ化物濃度1ppm)と、②水道水にフッ化物が添加されていない地域(0.1ppm)において、生まれ育った子供たちのエナメル質う蝕と象牙質う蝕の数を、7~18歳の間、2年ごとに調べました。

18歳時において、➀と②の地域でエナメル質と象牙質のう蝕病変の数を比べてみると、以下の様な結果となりました。

 

◎エナメル質う蝕病変と象牙質う蝕病変の合憲は、➀と②で同じ

◎う蝕病変のうちエナメル質う蝕の割合は、➀で75%、②で50%

ここから、フッ化物はう蝕の発生を防ぐのではなく、う蝕の進行を遅らせる効果があるということが分かります。

★ フッ化物による再石灰化の促進

2023年7月5日

再石灰化の促進は、フッ化物の4つの働きの中で最も重要です。

脱灰と再石灰後の境界となる臨界pHは、フッ化物の有無によって異なり、周囲にフッ化物が存在しない助教でのハイドロキシアパタイトの臨界pHは約5.5ですが、フッ化物が存在する状況では約4.5になります。

 

口腔内がpH5.0になっていると仮定しましょう。フッ化物がなければ、エナメル質の臨界pH5.5を下回っているので脱灰が進みますが、フッ化物があれば臨界pHが4.5になるので再石灰化が起こります。

フッ化物によって再石灰化のpH域が広がり、再石灰化が促進されていきます。

毎日使用する歯磨剤のフッ化物量で十分にう蝕がコントロールできる理由は、この再石灰化促進のメカニズムにあります。フッ化物の使用により、歯が脱灰している時間を短くすることができます。

★ フッ化物の4つの働き

2023年7月4日

フッ化物には、う蝕を防ぐさまざまな働きがあります。

 

➀再石灰化の促進

脱灰されたハイドロキシアパタイトにフッ化物が作用すると、臨界pHが約4.5まで下がり、再石灰化が促進されます。

 

②脱灰の抑制

酸による脱灰の際にフッ化物が低濃度(0.05pppmF以上)で存在すると、ハイドロキシアパタイトの結晶にフッ化物がゆるく吸着して溶解しにくい構造となり、脱灰を抑制します。

 

③結晶性の改善

再石灰化の際、フッ化物は部分的に溶解したハイドロキシアパタイトに優先的に吸着し、カルシウムイオンを引き寄せることで、耐酸性のある結晶を構成します。

 

④細菌の代謝阻害

フッ化物は、細菌が糖を代謝して酸を作る過程で用いる酵素反応を阻害したり、細菌が細胞内から酸を排泄する働きを阻害します。

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