★ 出血が止まらなくなる薬 抗血栓薬
2024年1月27日
歯科治療では意外に出血する場面が多くあります。
抗血栓薬を服用していると、出血が止まりにくくなります。
血の出る治療のイメージがない歯科治療ですが、血の出る場面は意外に多いのです。
たとえば、歯石をとったり、歯周ポケットの深さを測ったりしても、もともと歯茎が腫れている場合は血が出ることがあります。
毎日のブラッシング(歯磨き)で出血することもありますよね。この程度の出血では特に支障は有りませんが、抜歯やインプラント手術など、血の出る治療がいくつもあるのです。でも、ほとんどの場合、歯科医院できちんと止血できますので、心配しないでください。
抜歯やインプラント埋入などの手術の場合、お口の中では止血できたとしても、手術が終わってから皮膚に内出血を起こして、顔や首に青あざができることがあります。内出血は通常1~2週間で自然に消えます。
「歯科治療の時に血が止まらないと困るから」といって、ご自分の判断で服用をやめないでください。
医科や歯科のガイドラインでは、抗血栓薬の服用を続けたまま抜歯を行うように推奨されています。
ワルファリン(ワーファリン)の服用を中断して抜歯した方の薬1%(493人中5人)が、血栓が原因の発作を起こし、その80%(4人)がなくなったという報告もあります。
★ 歯周治療で関節リウマチが改善する可能性がある
2024年1月20日
これまでのたくさんの研究結果から、関節リウマチにかかっている人は、歯周病になりやすいといわれています。
その理由は、両方とも炎症性の病気であり、今日つのリスク因子(炎症を起こしやすい体質や、喫煙など)があるためかもしれません。
そのほかに、関節リウマチになると手指が動かしにくく、ブラッシング(歯磨き)がしづらいことや、関節リウマチの薬が免疫藩のを抑える作用があるためかもしれないなど、いろいろ考えらています。
また、歯周病が関節リウマチをより進行させる可能性もあります。
歯周病菌が持っている酵素が、関節リウマチを起こす自己抗体を増やすかもしれないからです。
また、関節リウマチと歯周病の両方にかかっている患者さんに歯周治療を行った研究がいくつかあり、そのほとんどで、歯周病を治療したら関節の腫れや痛みが減り、関節リウマチの検査値が下がったと報告されています。
★ 歯周病が原因で動脈硬化がおこりやすくなる
2024年1月17日
血液中の炎症性物質の数値が高いと動脈硬化がおこりやすくなります。
歯周病の患者さんは全身が軽い炎症状態にありますから、炎症性物質の数値が少し高くなり、動脈硬化がおこりやすくなると考えられています。
まれに、動脈硬化を起こした血管から歯周病菌が見つかることがありますが、歯周病菌が動脈硬化の原因になるかどうかまでは分かっていません。
しかし、動物を使った最新の研究では、歯周病菌を飲みこむと腸内細菌の構成が変わって腸の壁が弱くなるため。全身の臓器に細菌の影響が及ぶということがわかりました。
このようなことから、歯周病菌が原因で動脈硬化を起こしやすくなるのかもしれませんが、歯周病を治療したら動脈硬化が減るのかどうかは研究不足でまだはっきりしていません。
★ 歯周治療で腎臓の状態が良くなる可能性がある
2024年1月13日
歯周病が慢性腎臓病の原因の一部かもしれないと言われています。
慢性腎臓病を引き起こす代表的な原因は、糖尿病・加齢・喫煙で、ほかに高血圧、糸球体腎炎、自己免疫疾患などもあげられますが、原因がよくわからないことも多いのです。
しかし、以前は原因不明とされたもののうち、一部は歯周病が関係しているかもしれないと言われるようになりました。
市種苗が治ると慢性腎臓病も少し改善します。
歯周病の人は、血液中に炎症性物質が増加しています。
つまり、全身が常に軽い炎症の状態になっていて、歯周病が治らない限り長期間続いてしまいます。
その状態が腎臓にも悪い影響を及ぼすかもしれないと考えられるようになりました。
慢性腎臓病と歯周びょの療法にかかっている患者さんに歯周病治療をしたらどうなるか調べた研究では、歯周病が治った場合に慢性腎臓病も少し改善するという結果でした。
★ 骨粗鬆症の人は歯周病になりやすい
2024年1月9日
骨粗鬆症とは、骨の強度が低くなって軽い衝撃でも骨折を起こしやすくなる病気です。
主な原因は加齢で、女性ホルモンの影響を受けるため高齢の女性に多い疾患です。
致命的な疾患ではありませんが、結果的に要介護状態になる人も少なくないので注意が必要です。
骨密度が低いと歯槽骨の吸収が進みやすくなります。
歯周病にかかると、歯周病菌が歯茎に炎症をおこして、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かしていきます。これを「歯槽骨の吸収」といいます。
身体の骨と歯槽骨の関係を調べたケンキュの大部分では、体の骨密度と歯槽骨の吸収の程度には関係があるという結果でした。
例えば、骨粗鬆症の人たちと正常な骨密度の人たちを3年間観察したところ、骨粗鬆症の人たちの方が歯槽骨の吸収が多かったとの報告があります。
お口の中に歯周病菌がいるかどうかは、歯周病が進むかどうかの強力な要因ですが、その要因や年齢が同じくらいの人同士で比べると、体の骨密度が低い人の方が、歯槽骨の吸収が進みやすいといえそうです。
★ 糖尿病の人は歯周病になりやすい
2024年1月6日
糖尿病によって弱っている身体は、歯周病菌に抵抗する力も弱くなっています。ですから、歯周病にかかりやすく、治りにくく、受賞になりやすくなります。しかも治療が終わった後も再発しやすいので油断できません。
糖尿病が引き起こす炎症の一つに歯周病もあります。
血糖値の高い状態がずっと続くと、からだの中のタンパク質が糖とくっつきます。それを歯血球が敵と間違えて攻撃するので、その結果、歯周病も含め、全身に炎症が起きやすくなります。
歯周病が糖尿病を引き起こすかどうかは調査中です。
動物実験の結果によると、歯周病が原因で糖尿病にかかりやすくなったり、糖尿病を悪化させたりするようなことがあるとわかっています。
糖尿病と歯周病の両方にかかっている人が多いのは本当です。しかし、どちらが原因でどちらが結果なのかは、はっきりわかりません。
歯周病の人はその後、糖尿病になることが多いのか、歯周病を治療して歯茎の状態が良くなったときには糖尿病も良くなるのか、調べる必要があります。そのような調査が世界中でも日本でも盛んにおこなわれていますので、近い将来、もっとはっきりしたことがわかるでしょう。