★ 歯ぎしりってなんでするの?
2024年9月21日
通常、ヒトと話さないときや寝ているときの上下の歯は、少しすき間があり、これが歯にストレスがない状態です。この状態で、歯と歯の周りの組織を休ませているのです。
これを「安静位空隙」といいます。しかし、喰いしばり癖がある人はこの時間が極端に少ないため歯にダメージが及びます。
歯と歯がくっついている状態である時間は1日15分といわれています。
寝ているときに食いしばっていたら歯と歯がくっついている状態は6時間以上に及びます。
それでは、歯がすり減り、顎を動かしている筋肉がつかれてしまうわけですよね。
では、なぜ歯ぎしりをするのでしょうか?
詳しい原因は分かっていませんが、遺伝・飲酒・カフェイン摂取・ストレスなどの関与が指摘されています。
歯ぎしりをほおっておくと、せっかく治療した歯の詰め物が欠けたり、擦り減ったり摩耗する原因になります。また、噛む力が強い人は、詰め物や歯を割ってしまうこともあります。
治療中の歯ではなく、もともと健康な歯であっても、歯ぎしりを繰り返すことでだんだん歯が揺れてきた里、割れたりすることもあります。
歯ぎしりや食いしばりは、自覚症状がない人も多くいらっしゃいます。
寝ていると間「ギリギリ….」と音を立てた歯ぎしりであれば、家族が気付くこともありますが、一人暮らしの場合はなかなか気づけませんよね。また、日中仕事をしている中で知らずに喰いしばる癖があるひともいます。歯ぎしりは3つの種類に分かれますので、心当たりがないか確認してみましょう。
〇「ギリギリ」と音を立てる「グラインディング(歯ぎしり)」
上下の歯を、かみしめながら横にこすり合わせる歯ぎしりです。
すりあわされた歯同士で歯が削れ愛、擦り減って平になるという特徴があります。
ひどくなると、歯の詰め物が取れたり、割れたりと歯に最もダメージのある歯ぎしりです。
〇グッと噛みしめる「クレンチング(食いしばり)」
上下の歯と、顔のエラ部分にぐっと強い力が入り、かみしめる歯ぎしりです。
重いものを持つときに「グッ」と食いしばる様子をイメージすると分かりやすいと思います。
あの状態が癖のようになって、仕事しているときや、寝ているときに力が入っている人がいます。
グラインディングとは違い、音は出ませんが、常に顎や両サイドのエラに力が入っているので、一日の終わりに重く疲れた感覚がある人は気づかないうちに食いしばっているかもしれません。
〇「カチカチ」と音が鳴る「タッピング」
上下の歯を、なにか食べているときのようにかみ合わせる「カチカチ!」と歯同士がぶつかった音がするのが特徴の歯ぎしりです。
震えるように寒いとき、歯同士が小刻みにぶつかり合うのをイメージすると分かりやすいと思います。グラインディング、クレンチングに比べて該当者は少ないですが、音が鳴る歯ぎしりですので目立ち、無意識で行っていて他人に指摘されて気づく人います。
歯ぎしりの治療は、「歯ぎしり・食いしばり用」のマウスピースをはめて歯の消耗を防ぐ方法があります。このマウスピースは保険適用内でだいたい3000~5000円で作ることが可能です。
自分の歯の代わりに、歯ぎしりでかかる負荷をマウスピースがカバーしているので当然消耗します。
摩耗具合は、個人差があるので擦り減ったら再製するといいでしょう。
また、同時に、ご自身の意識改善も必要です。
日中「あっ、噛んでるな」と思ったときは、歯を離す。
これを続けることで改善されていきます。
最近では、ドラックストアで手軽に購入できるマウスピースもありますが、きちんと自分にピッタリ合ったものを入れなければいい効果は発揮しません。歯科医院で型取りした自分専用のマウスピースを使用することをお勧めします。
実は、歯ぎしりは浅い眠りの時に起こることが分かっています。
人間は深い眠りと浅い眠りを交互に繰り返し、深い眠りのとき筋肉の動きは抑制されています。
そして眠りが浅くなると抑制が溶け、その拍子に咬筋(頬の筋肉)が動き、歯ぎしりが起こると考えれらるのです。
★ 親しらずって生えたら抜くべき?
2024年9月17日
前回のブログでお伝えした通り、現代は食品の調理法も増えてやわらかい食べ物を食べる機会が増えたことがからあごの骨は小さくなってきています。
しかし、「歯の大きさ」はさほど変わっていないことが分かっています。
そのため、比較的成長した後に生えてくる親知らずは生えても顎の中でスペースがなく、他の歯のようにまっすぐ生えてこないケースがよく見られます。
例えば、斜めに生えて一部分だけ歯ぐきから見えたり、水平に生えて隣の歯を圧迫するようなものもあります。この場合、ほおっておくと、むし歯や歯並びの悪化・歯茎の腫れ・顎関節症(顎が動きにくくなったり、痛みを伴う症状)の原因となります。
斜めに生えてきた場合、隣の歯との間にすき間ができるので汚れが溜まり、その部分が虫歯になる傾向があります。この場合は、抜いてしまった方がいいでしょう。
まっすぐに生えて、かみ合わせに問題無ければ抜く必要はありません。
ちなみに「親知らずを抜くと小顔になりますか?」とよく聞かれますがそれは都市伝説です。
親しらずを抜いても、顎の骨が収縮するわけではありません。これをお伝えするとみなさんがっかりされるのですが、小顔にはならないのです。
★ 親しらずってなに?
2024年9月13日
「親知らず」とは、だいたい10代後半から20代前半に生える永久歯のことをササいます。
正式には「第三大臼歯」と呼ばれ、別名では智歯ともいいますが、上顎と下顎の最も奥に生えます。
平均寿命が40~50歳前後だった時代の人は、たいてい自分の子どもの「親知らず」が生えてくる前に亡くなってしまってこの歯を見せることができませんでした。このことが名前の由来だといわれています。
そんな親知らずですが、生える本数は昔から上に2本、下に2本で計4本です。
このすべてが生えそろっている成人の日本人は約半数といわれています。
しかし、古代人のほとんどは親知らずが上下生えそろっていたそうです。
これは古代は食物の調理法が少なかったことから硬いものが多く、顎の力が必要だったからだと考えられます。
次第に食物の調理法が増えて、やわらかいものを食べる機会が増えたことで顎が小さくなり、
全ての歯がおさまらなくなったと言われています。
ちなみに、親知らずは英語で「wisdom tooth(知恵の歯)」といいます。
これは、「大人になって物事の分別がつくようになったころに生える歯」という意味。
だいたい生えはじめる10代後半から20代前半は、こどもから大人に変わる時期。
親し生えたとということは、大人になったサインとも言えます。
★ 歯磨き粉には、なにが入っているの?効果はあるの?
2024年9月10日
奥が深い「歯磨きの世界」へようこそ!
数多ある種類の中からお気に入りのものを見つけると歯磨きタイムが楽しくなりますよ!
歯磨き粉のことを、歯科医は「歯磨剤」とよぶことがあります。
歯磨剤は、後述する通り、基本成分と、医薬部外品の「薬用歯磨き類」に配合される薬効成分とで構成されています。
〖薬効成分〗
(1)研磨剤
歯面に沈着した歯垢や着色性沈着物(ステイン)などを落とす役割があります。
ただし、強力なものは歯に負担をかけてしまいますので、高頻度で使う事はお勧めできません。
(2)発泡性
泡立つことによって、他の成分が口内へ広がりやすく、汚れを落とすための洗浄効果が上がります。磨いた気になりやすくなる点には注意したいところです。
(3)香味料
匂いや味を含むものを指します。歯磨き中の爽快感が増すとともに、鞘腫にも一役買っています。
他の成分特有の匂いや味を和らげる働きもあります。
(4)湿潤剤
歯磨剤の感想を防ぐとともに歯磨剤に湿り気を含ませる働きがあります。
(5)粘結材
研磨剤をはじめとする研磨剤と液体成分の分離を防ぐとともに、適度な粘性を与えて泡立ちを調整します。
(6)着色剤
歯磨剤の色味などを調整します。
(7)保存料
歯磨剤の防腐や劣化などの変質を防ぐ働きがあります。
市販されているほとんどの歯磨き粉には発泡剤が入っていますが、爽快感があるため、2回くらい歯ブラシを動かしただけでも「磨いた気」になります。
肝心なのは、口内の歯垢を落とすことなので、爽快感のある歯磨き粉を使う時ほどより丁寧なブラッシングを心がけてください。
★ 仕上げ磨きはいつまで必要?
2024年9月4日
お子さんが自分で歯磨きをして、その後にお母さんやおお父さんが仕上げに歯を磨いてあげる仕上げ磨きは、具体的に何歳まで行うべきかハッキリと定められているわけではありません。
歯医者さんの多くは、10~12歳くらいまでは仕上げ磨きをするよう推奨していますので、そこをめどにするといいと思います。
ただ、歯磨きがうまくできない、あまり好きではなさそうなお子さんの場合ほおっておくとむし歯になってしまいますので年齢にとらわれず注意深く観察して、必要があればサポートすることが必要です。目安としては、乳歯の生えてくる1歳6か月までに歯磨きの習慣が定着することを目指しましょう。
子どもの歯である「乳歯」から大人の歯である「永久歯」に生え変わる期間はだいたい6~12歳までです。その間は、乳歯と永久歯が混ざり合っている「混合歯列期」と呼びます。
このときは、生えたての永久歯、完全に生えた永久歯、そろそろ抜けそう、グラグラしている乳歯がある状態です。抜けている歯もあったり、それぞれの歯の大きさがバラバラなので、汚れが付きやすく磨きにくい時期です。
生えたばかりの永久歯は、乳歯よりも丈夫ですが、象牙質がまだやわらかいため虫歯になりやすく、進行もしやすい傾向にあります。この時期にしっかり歯みがきをしておかないと、切開区は得た永久歯が虫歯になってしまうかもしれません。
仕上げ磨きは、保護者がお子さんの後ろに立って行うか、お子さんがじっとしていない場合は保護者の膝の上に寝かせて、安全に口の中を見るようにしましょう。
歯磨き粉を使い始めたら、寝かせて仕上げ磨きをしてしまうと歯磨き粉をのみこみやすくなるんどえ、お子さんを立たせて歯磨きしましょう。前歯と奥歯の仕上げ磨きのポイントをお伝えしますので、参考にしてみてくださいね。
〇前歯
上唇と歯茎をつないでいる「スジ」の部分に歯ブラシが当たると痛がるお子さんが多くいます。
仕上げ磨きをする時は、歯ブラシを持っていない方で上唇を指で持ち上げて、「スジ」の部分を指で隠して行うとうまくいきます。
〇奥歯
奥歯は歯垢が溜まりやすい場所なので、歯ブラシを奥から手前に優しく動かすようにして歯垢を取り去りましょう。
仕上げ磨き中は、話しかけたりお子さんとのコミュニケーションを取ることを心がけると気もまぎれて、飽きずに磨き事が出来るでしょう。
睡眠中は唾液の分泌が減り細菌の量が増えるので、寝る前だけでも仕上げ磨きをすることをお勧めします。
大人の歯が生えそろう12歳までに、正しい磨きが習慣づけば一生役に立ちます。
根気強く指導して、自分で自分の歯をまもれるようにしたいですね。