石田歯科
夜7時迄診療
診療時間
10:00~13:00 / / /
15:00~19:00 / / /

休診日:木・日・祝 ▲土曜午後 : 〜17:00

お問い合わせ MAIL相談
24時間受付 WEB予約
キービジュアル

診療メニュー MENU

★ 歯磨き後は口をよくゆすぐ?ゆすがない?

2023年7月21日

歯磨き後は、しっかり口をゆすいだ方が良いのでしょうか?

英国の研究で、平均12.5歳の児童3005人を対象に、歯磨き後の口のゆすぎ方の違いによる、3年後のう蝕増加率が調べられています。歯磨き後にコップを使って口をゆすぐ子供よりも、手を使って少ない水で口をゆすぐ子供の方が、う蝕増加率が16%低いという結果でした。

歯磨き後は口をあまりゆすがない方が、歯磨剤に含まれるフッ化物が洗い流されず口腔内に留まるため、う蝕になりにくいということが分かります。一度だけ、軽くゆすぐ程度にしましょう。

フッ化物は口腔内に残り続けることでう蝕予防効果を発揮するので、歯磨剤中のフッ化物濃度と同様に、口のゆすぎ方も重要な患者教育のポイントです。

★ 歯磨剤のフッ化物濃度は何%を選べばいいの?

2023年7月12日

フッ化物濃度の上限は国にって異なりますが、歯磨剤では1.000~1.500ppmが一般的です(10.000ppm=1%)。フッ化物配合歯磨剤のう蝕予防効果は歯磨剤を使用しない状態と比べると、1.000~1.250ppmで23%、1.450~1.500ppmで29%上昇します。また、1.500ppmは1.000ppmよりう蝕予防効果が9.7%高くなります。

 

〇500ppm未満

フッ化物500ppm未満の歯磨剤は、う蝕予防効果によいてプラセボに対する有意差が認められていません。そのため、6歳未満でも使用量に注意して1.000ppmを使用するという国もあります。しかし、歯のフッ素賞やエナメル質形成不全の影響が懸念されるため、6歳未満では500ppmが推奨されます。

 

〇1.500ppm以上

より高い濃度のフッ化物配合歯磨剤を処方できる国もあり、5.000ppmの歯磨剤が16歳以上のう蝕リスクの高い患者(根面う蝕、口腔乾燥症、歯列矯正装置、オーバーデンチャー、う蝕原性の高い食事、薬物使用)に、処方されています。今後は高齢化による歯面う蝕と口腔乾燥症の増加に伴い、世界中で5.000ppmの歯磨剤のニーズが高まると考えられます。

 

〇追加のフッ化物(洗口剤・フォーム)

う蝕のリスクが高い場合、洗口可能な4歳からは225ppm、6歳以上は450ppmのフッ化物洗口、要介護の方には900ppmのフッ化物フォームのプラスケアが推奨されます。歯磨剤よりも一度に口に含む量が多く、使用後に水で口をゆすがないため口腔内に残留するフッ化物が多くなり、効果が高まります。

★ う蝕予防効果の高いフッ化物の組み合わせ

2023年7月11日

さまざまなフッ化物の効果を比較した研究を見てみましょう。

カリエスチェック

著 伊藤直人

 

歯磨剤とジェルあるいは洗口剤の比較では、う蝕予防効果に差がありません。

歯磨剤の味が苦手という方がいたら、代わりにジェルや洗口剤を使用しても同等のう蝕予防効果が期待できます。歯磨剤や洗口剤の併用はどうでしょう?歯磨剤単独よりも洗口剤を併用した方が、う蝕予防効果が7%ほど高くなります。リスクが高い方は就寝前やおやつの跡など(歯磨き以外)に洗口剤を使うと良いでしょう。

 

最もう蝕予防効果の高い組み合わせは歯磨剤とバーニッシュで、歯磨剤のみの使用に比べ48%も効果が上昇します。唾液が出にくい、露出したての歯面がある、糖の摂取回数が多いなど、う蝕リスクの高い患者さんには、自宅でフッ化物配合歯磨剤とフッ化物配合洗口剤を併用してもらうのに比べ、歯科医院でバーニッシュを塗布すると効果的です。

★ どのフッ化物製品を使えばいいの?

2023年7月8日

フッ化物はどのように使用すると高い効果が得られるのでしょうか?

世界におけるフッ化物の使用方法は、濃度によって分けられます。

 

低濃度:地域社会で提供(飲料水、塩、牛乳や小麦粉などに添加)

中濃度:個人による使用(歯磨剤、洗口剤、タブレット、あめ、ガムなど)

高濃度:専門家による使用(溶液、ジェル、パーニッシュ、フォーム、フッ化物徐放歯科材料など)

 

私たちが選んで使うことのできるフッ化物配合製品について、単独で使用した時のう蝕予防効果を見てみましょう。

 

表に示した4つの製品はすべてう蝕予防効果が認められています。その中でも、歯磨剤はバーニッシュなどに比べう蝕を予防できる割合(予防分画)がやや低いものの、研究の数も多く信頼性が最も高いことが分かります。

したがって、まずはフッ化物配合歯磨剤の使用が薦められます。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

★ フッ化物でう蝕ゼロ?

2023年7月7日

フッ化物には、う蝕を防ぐ効果があります。では、フッ化物を使用していれば、う蝕は発生しないのでしょうか?

1953~1971年にかけて、オランダで興味深い研究が行われました。

➀水道水にフッ化物が添加されていない地域(フッ化物濃度1ppm)と、②水道水にフッ化物が添加されていない地域(0.1ppm)において、生まれ育った子供たちのエナメル質う蝕と象牙質う蝕の数を、7~18歳の間、2年ごとに調べました。

18歳時において、➀と②の地域でエナメル質と象牙質のう蝕病変の数を比べてみると、以下の様な結果となりました。

 

◎エナメル質う蝕病変と象牙質う蝕病変の合憲は、➀と②で同じ

◎う蝕病変のうちエナメル質う蝕の割合は、➀で75%、②で50%

ここから、フッ化物はう蝕の発生を防ぐのではなく、う蝕の進行を遅らせる効果があるということが分かります。

★ フッ化物による再石灰化の促進

2023年7月5日

再石灰化の促進は、フッ化物の4つの働きの中で最も重要です。

脱灰と再石灰後の境界となる臨界pHは、フッ化物の有無によって異なり、周囲にフッ化物が存在しない助教でのハイドロキシアパタイトの臨界pHは約5.5ですが、フッ化物が存在する状況では約4.5になります。

 

口腔内がpH5.0になっていると仮定しましょう。フッ化物がなければ、エナメル質の臨界pH5.5を下回っているので脱灰が進みますが、フッ化物があれば臨界pHが4.5になるので再石灰化が起こります。

フッ化物によって再石灰化のpH域が広がり、再石灰化が促進されていきます。

毎日使用する歯磨剤のフッ化物量で十分にう蝕がコントロールできる理由は、この再石灰化促進のメカニズムにあります。フッ化物の使用により、歯が脱灰している時間を短くすることができます。

★ フッ化物の4つの働き

2023年7月4日

フッ化物には、う蝕を防ぐさまざまな働きがあります。

 

➀再石灰化の促進

脱灰されたハイドロキシアパタイトにフッ化物が作用すると、臨界pHが約4.5まで下がり、再石灰化が促進されます。

 

②脱灰の抑制

酸による脱灰の際にフッ化物が低濃度(0.05pppmF以上)で存在すると、ハイドロキシアパタイトの結晶にフッ化物がゆるく吸着して溶解しにくい構造となり、脱灰を抑制します。

 

③結晶性の改善

再石灰化の際、フッ化物は部分的に溶解したハイドロキシアパタイトに優先的に吸着し、カルシウムイオンを引き寄せることで、耐酸性のある結晶を構成します。

 

④細菌の代謝阻害

フッ化物は、細菌が糖を代謝して酸を作る過程で用いる酵素反応を阻害したり、細菌が細胞内から酸を排泄する働きを阻害します。

★ フッ化物で歯を強く?

2023年7月3日

以前の「フッ化物を摂取して歯を強く」という考えの根底には、エナメル質の主成分であるハイドロキシアパタイトにフッ化物を作用させ、フルオロアパタイトに変化させることでう蝕を防ぐという狙いがありました。

フルオロアパタイトは、ハイドロキシアパタイトよりもう蝕になりにくいのでしょうか?

Ogaardのいくつかの研究結果を組み合わせると、面白いことが分かります。

 

〇ヒトの歯(ハイドロキシアパタイト)

〇サメの歯(フルオロアパタイト)

〇ヒトの歯+フッ化物洗口

を人の口の中で四週間かけて意図的にう蝕にした後、病変の深さとミネラルの喪失量を調べました。すると、最も脱灰が少なかったのは、フルオロアパタイトを主成分とするサメの歯ではなく、ヒトの歯+フッ化物洗口でした。つまり、う蝕の抑制に効果的なのは、フルオロアパタイトそのものではなく、脱灰部にフッ化物が存在していることなのです。

その理由は、再石灰化を促進し、脱灰を抑制するフッ化物の働きにあります。

★ フッ化物について

2023年6月30日

フッ素は反応性の高い元素で、自然界では基本的に単体で存在することはなく、他の元素と融合してフッ化物として存在します。私たちが日常で摂取している飲食物(お茶、海藻、魚や野菜など)にも、フッ化物は多く含まれています。

世界中でう蝕のコントロールに多大な貢献をしているフッ化物ですが、歯科の歴史においては、歯のフッ素症(斑状歯)の原因として登場しました。山の岩石にはフッ化物が多く含まれ、それが溶け出た川の水を飲んでいた子供たちの萌出歯に、褐色の斑点が見つかったのです。しかし、その子供たちを調べてみると、う蝕の発生が少ないことが分かりました。

 

そのため、しばらくはフッ化物を体内に摂取することがカリエスコントロールにつながると考えられ、塩、小麦粉、錠剤や水道水などでのフッ化物摂取が推奨されました。現在は、フッ化物を配合した歯磨剤などを使用することにより、常にフッ化物が口腔内に存在することがカリエスコントロールに重要であり、体内に摂取する必要はないことが明らかになっています。

 

それどころか、体内で永久歯が形成される幼児期にフッ化物を過剰摂取すると歯のフッ素を引き起こし、歯の結晶がもろくなってしまいます。またフッ化物は塩と同様、過剰摂取すると急性中毒を起こしますので、注意が必要です。

フッ化物は、➀再石灰化の促進 ②脱灰の抑制 ③結晶性の改善 ④細菌の代謝阻害によりう蝕を予防するします。過剰フッ化物摂取による弊害をなくし、フッ化物に対する正しい知識を得て、カリエスコントロールに有効活用しましょう。

★ いつ歯を磨けばいいの?

2023年6月27日

歯磨きは、1日の中でいつ行うのが効果的なのでしょうか?さまざまな視点から、エビデンスを基に考えてみましょう。

 

〇バイオフィルム

バイオフィルムが成熟するまでに数日かかるため、1日の中で一回はていねいに歯を磨いて、しっかりプラークを除去することが大切です。

 

〇フッ化物

フッ化物が流されてしまうので、飲食前の歯磨きは控えましょう。また、就寝前にフッ化物配合歯磨剤で歯を磨き、就寝中の歯面にフッ化物を残留させると良いでしょう。

 

〇生活習慣

新しい習慣は他の行動と関連付けると定着しやすくなります。歯磨きを食事の後にする、お風呂のときにするなど、毎日行うことに関連付けて習慣化すると良いでしょう。

 

〇酸蝕症

飲食物の酸で歯がダメージを受けていると、歯磨きでも歯面が削れてしまいます。

飲食後、30分以上たってから磨くと、少しは抑えられます。

 

〇ドライマウス

リスクが極度に高いので、バイオフィルム中のpHを早く中性に戻すため、食べた直後に歯を磨くようにしましょう。唾液量が少ない  ので、糖を洗い出す作用も、酸を中和する緩衝能も引くと考えられます。

 

◎バイオフィルムのまとめ

・バイオフィルムは、う蝕の直接的な原因

・ブラッシングとフッ化物の応用で、う蝕の進行を止めることができる

・萌出したばかりの乳歯と永久歯、露出したての歯根面はう蝕のリスクが高い

・エナメル質の臨界pHは5.5、象牙質、乳歯、幼若永久歯の臨界pHは6

・歯面にバイオフィルムが付いていなければ、糖を摂取してもう蝕による脱灰はおこりにくい

・プラークが二日を超えて成熟し続けると、糖接種時のpH低下が大きく、脱灰時間も長くなる。

・1日2回以上歯磨きする人は、2回未満の人よりう蝕が少ない

・電動歯ブラシは手用歯ブラシよりプラーク減少に効果的。

ただし、患者さんの状況によって使い分けが必要

・フロスのう蝕予防効果についてはエビデンスが不十分

・清掃指導だけではう蝕はコントロールできない。自己診断をさせたり、う蝕の原因や砂糖の話をするなど、患者が歯を磨きたくなるような働きがけが効果的。

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんな事でも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

  • お問い合わせ MAIL相談
  • 24時間受付 WEB予約
06-6355-2500
〒530-0043
大阪府大阪市北区天満2-13-20 ハーツ天満橋1F

このページの先頭に戻る