石田歯科
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★口は万病のもと ₋全身の病気との関係- ④

2023年2月17日

歯周病による慢性炎症が関係して起こる病気には様々なものがあることが多くの研究で分かっています。ここでは、まじ、代表的なものについて紹介していきます。

 

1つは糖尿病です。

糖尿病があると、歯周病が悪化、重度の歯周病があると糖尿病が悪くなる。

糖尿病は歯周病との県連について最も研究が進んでいる病気の1つです。糖尿病があると歯周病が進行し、歯周病があると糖尿病が悪化するというように双方向に影響します。このため、歯周病は網膜症や腎臓病、神経障害などの合併症とともに、糖尿病の六番目の合併症とされています。医師が参照する診療ガイドラインをはじめ、患者さんが使用する「糖尿病連携手帳」にもしっかりこのことが明記されています。

 

糖尿病があると歯周病が悪化する原因の1つは、肥満など、メタボリックシンドロームの人の脂肪組織から多く分泌される「アディポカイン」という生理活性物質です。このアディポカインの生産が亢進すると、さらに他の炎症性サイトカインという炎症反応を引き起こし、血糖の代謝に悪影響を及ぼし、糖尿病を悪化させるのです。

 

また、肥満はそれほど高くなくても重度の歯周病を持っている人は、からだの炎症反応が高く、炎症性サイトカインが肝臓などの臓器や筋肉などがインスリンを使っておこなう糖の代謝を妨げ、インスリン抵抗性の状態を作りだしていることも示唆されています。

★口は万病のもと ₋全身の病気との関係- ③

2023年2月15日

炎症によって出てくる毒性の物質が体をめぐります。

歯肉には毛細血管が張り巡らされており、これが全身の血管につながっています。

歯肉が炎症を起こすと多種類「炎症性物質」がたくさん作られます。これらの炎症性物質は血糖値を下げるインスリンの働きを悪くさせたり、早産に関係したり、肥満を促進させたり、血管の動脈硬化を引き起こしたりする働きがあります。

こうした、炎症性物質が歯肉の血管から入り込んで血流を通じて各臓器にたどりつくということが分かっています。また、歯肉の血管からは歯周病菌や歯周病菌がもつ「LPS」という毒素も入り込みます。P.g菌が持つ「ジンジパイン」というたんぱく質分解酵素は、k細菌などの脳への侵入を遮断する「血液脳関門」をも通過し、アルツハイマー病悪化の引き金の1つになる可能性が示されいます。

また、歯周病菌の中には誤嚥によって、気管支から肺などにたどりつくものもあります。これらは多くの高齢者の死亡原因となる誤嚥性肺炎の原因となっております。「なぜ歯周病菌は血液の中を自由にめぐることができるの?からだには細菌が入ってきても、これを防御する力が備わっているのではないの?」と疑問に思う人もいることでしょう。確かにここがいまだに謎の多い点です。

 

ただ、歯科の病気では昔から「歯原性菌血症」(歯周病の病変部や、むし歯で歯の神経が感染し根の先に病気が出来ている状態を放置したことから病原菌が血管に入り、本来、無菌な血液中に細菌が入り込むことから発熱などが起こる)の存在が知られています。歯肉などの血管から細菌が入り込み、そのうち生き延びるものがいることは紛れもない事実です。

ただし、そうだとすれば、歯磨きで歯肉に傷をつけるだけで菌が入り込む危険があるということになります。しかし、それは心配ありません。炎症が一時的に起こる程度ならば細菌の侵入も少なく、体の抵抗力で細菌はすぐに抑え込まれます。一方、歯周病の場合は1日24時間、慢性的に炎症が生じている状態であるため、細菌が優勢となり生き延びる場合があると考えられるのです。

★口は万病のもと ₋全身の病気との関係- ②

2023年2月14日

手のひら大の炎症が24時間、毎日続いています。

 

「歯周病になるということは、手のひら大の炎症を治さないまま、生活しているということですよ」

歯周病の専門医は患者さんにこう話します。手のひら大の炎症。これは学術的な数値です。中等度の歯周病患者さんの持っている歯周ポケット周囲の歯肉の炎症の総面積を計算すると、「手のひらくらいの大きさ」(歯周ポケット5㎜~6㎜の深さの範囲の炎症×28本=72平方センチ)と算出されるというのです。歯周病は慢性疾患ですから、治療しないままでいるということは、この手のひら大の炎症を毎日、放置しているということと同じなのです。

★口は万病のもと ₋全身の病気との関係- ➀

2023年2月8日

歯周病がさまざまな病気の原因になります。そのキーワードは「慢性炎症」です。

歯周病の怖さは口の中にとどまらず、全身の病気の発症や悪化の原因の一つになっているということです。このため、歯科医師だけでなく、医師も歯周病に関心を寄せ、双方で「歯周病とからだ」に関する多くの研究を行っています。

そのキーワードは、歯周病の大きな特徴の一つである「慢性炎症(持続的に炎症を抱えていること)」です。

炎症とは、歯肉の発赤、出血、腫れや痛みのことです。歯周病になると歯周組織の炎症が起こり、特に歯肉は赤く腫れてきます。ひどくなると膿がでてくることもあります。この炎症が全身に悪さを引き起こす元凶と考えられています。

★歯周病になりやすい人は?

2023年2月7日

タバコを吸っている人は歯周病が悪化しやすいです。こんな話を聞いたことがありませんか?

歯周病を悪化させる要因はいくつかありますが、プラークなどの直接的原因を除いて最大のリスクファクター(危険因子)といわれているのがタバコ(喫煙)です。膨大なエビデンスから、非喫煙者と比較して喫煙者では歯周炎を発症するオッズ比が約2.8倍で、喫煙本数が多いほど症状が重くなり、高度な歯槽骨の吸収が見られます。

また、歯科医師であればヘビースモーカーの患者さんの治療に苦労した経験を誰もが持っていますが、実際に歯周基本治療をおこなった後、再治療が必要だった患者さんの率は喫煙者では42.8%だったのに対しt、非喫煙者では11.5%だったという研究もあります。

もう一つ、はっきりしているリスクファクターは糖尿病です。糖尿病でない患者さんと比べ、血糖コントロールが不良な2型糖尿病の患者さんでは各年齢において歯周病がより重度で歯周ポケットが深いなどのコントロールがうまくいかず、悪化するという相互への関連が明らかになっています。

このほか、喫煙や糖尿病ほどの根拠はないものの、肥満やカルシウム・ビタミンDの不足、骨粗鬆症。ストレスなどもリスクファクターといわれています。

★静かに進行するサイレント・キラー ②

2023年2月6日

歯周病の一部には若いころから急速に進行するタイプがあります。

歯周病は炎症がひどくなるときと一休みする時期を繰り返しながら、進行します。たとえば10代で初期の歯肉炎が発症し、放置しておいた場合でもすぐに重度の歯周炎にはならない場合が多いのです。

一方、10代20代で発症し、急速に歯周炎が進行するタイプがあります。侵襲性歯周炎と呼ばれているもので、適切な治療を受けなかった患者さんの中には若くして多くの歯を失ってしまう人もいます。このほか、ダウン症候群などの遺伝的な要因で、早い時期から重度の歯周炎が発症する場合があります。

いずれの歯周病の治療においても、プラークコントロールを徹底するという基本は一般的な歯周病と同じです。

 

★静かに進行するサイレント・キラー ➀

2023年2月4日

歯周病は大きく、歯肉内に炎症がとどまっている「歯肉炎」と、その先の組織に病気が進行する「歯周炎」分けられます。どのように進行するかを見ていきましょう。

 

【➀歯肉炎】

プラークが歯と歯肉のすき間にたまると、歯肉は炎症を起こし、変色し、出血しやすくなります。

時には歯肉がむずがゆかったり、触るとぷよぷよしますが、この段階では異変に気付かない人が多いようです。これは歯周病菌を追い出そうというからだの防御反応の炎症です。同時に健康な時は1~2㎜程度だった歯肉溝(歯と歯肉の間にはもともと1~2ミリのすき間があり、これを歯肉溝という)は歯肉の腫れによって、「歯肉ポケット(仮性ポケット)」と呼ばれる溝(2~3ミリ)になります。この段階であれば自分自身のブラッシング(プラークコントロール)をはじめとしたセルフ・ケアの徹底や、歯科医院でプラークが石灰化して固まった歯石の除去(スケーリング)などのプロフェッショナル・ケアを受ければ、炎症はおさまり、元の健康な歯肉に戻すことができます。

 

【②歯周炎】

プラークがさらに歯と歯肉の奥に入り込むと、歯肉の炎症が深いところまで達するようになり、歯肉溝は歯肉ポケットから「歯周ポケット(真性ポケット)」といわれる状態に進行します。歯肉の炎症は継続し、出血しやすい状態や腫れは続き、歯もわずかに動くようになります。また、炎症により歯肉の一部が退縮して本来、歯を覆っていた位置から下がり、歯の根元付近が露出してきます。歯と歯の間の歯肉も下がるのですき間が気になるようになります。歯肉の内側では歯を支える歯槽骨が吸収し始め、X線画像で見ると歯槽骨の高さが低くなっているのが分かります。この段階で歯科の治療を受ければ、歯周病は十分に治すことができます。

 

【③中等度歯周炎】

プラークがさらに根の先の方向に向かって入り込み、炎症はますます広がっていきます。また、歯肉の退縮が進み、歯の根の部分がさらに露出し、歯が長くなったようになる場合もあります。ここまでくると多くの人は歯肉の違和感や歯の動きにはっきりと気づくようになります。また、歯と歯の間の歯肉がさらに下がり、すき間が広がり、そこから息が漏れることによって発音への影響も出始めます。その前の段階にもみられる口の中の粘着きだけではく、口臭などの症状も出てくるために、あわてて歯科医院を受診する人が増えはじめます。

 

【④重度歯周炎】

歯の周りの組織はさらに破壊され、歯肉は下がり、歯と歯の間のすき間も目立つようになります。歯槽骨はさらに吸収され、X線画像では歯を支える歯槽骨がごくわずかとなります。時には歯肉からは膿や血が持続的に出て、口臭は一層強くなり、歯は大きくぐらつきます。噛む力を支えきれず噛んでも歯の位置が不安定になるので本来の位置から動いて歯並びが悪くなったり、十分に食べ物が噛み切れなかったり、発音に影響が出るようになります。

 

【最終段階】

歯を支える歯槽骨をはじめとした歯周組織がほとんど失われるため、大切な土台を失った歯は自然に抜けてきます。

続 日本人はこうして歯を失っていく

著 日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会

 

★増殖する歯周病菌 感染は防げるのか? ④

2023年2月3日

歯周病が悪化するかどうかは抵抗力や生活環境の影響も大きいといえます。

 

実は歯周病は、

➀口の中の細菌の攻撃力

②患者自身の抵抗力

③生活習慣(環境)、その他

これらが絡み合って起こると考えられています。➀の攻撃力については、プラークが多いほど悪化しやすくなります。ブラッシングを怠り、プラークが蓄積されると歯周病菌をはじめとした病原菌が膨大になるからです。

一方、それほどプラークが蓄積していなくても、組織の抵抗力が下がっていると歯周病が悪化しやすくなります。実際、仕事が忙しく睡眠不足が続いたりすると、歯周病が悪化したという経験を持つ人もあると思います。これが②の患者自身の抵抗力、に関する典型的なケースです。

さらに③の生活習慣については、ヘビースモーカーの人は歯周病にかかりやすく、歯周病の治療をしてもなかなか改善が見られないことが分かっています。(喫煙は歯周病のリスクファクターです)

このほかにも、遺伝的(先天的)な因子が関係している場合もあり、ある種の症候群では重度の歯周病が生じ、若い年齢から信仰の速い歯周病が発現したりします。しかし、歯周病は生活習慣病の一つであり、プラークを作りやすい生活環境と強い関係があります。

このため、歯周病治療、予防においては細菌の塊であるプラークを取り除く、「プラークコントロール」のほかに、からだを健康に保つことや、禁煙、持病(糖尿病など)の管理といったことが大事になってくるわけです。

さらに近年では、腸と同じように、口の中の細菌の攻撃力を抑え、善玉菌を増やして口の中の抵抗力を高め、歯周病を抑えようという「プロバイオディスク」の考え方もでてきています。

 

続 日本人はこうして歯を失っていく

著 日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会

★増殖する歯周病菌 感染は防げるのか? ③

2023年2月1日

歯周病の原因と考えられる菌は、これまでたくさんの種類が見つかっています。このうち、歯周炎の患者さんに多く見られ、特に悪質な菌といわれる3種類が「P.ℊ菌(Porphyromonas-gingivalis.ポルフィロナモス・ジンジバリス)」「T.f菌(Tannerella forsythia.たん慣れら・フォーサイシア)」「T.d菌(Treponema denticola.トレポネーマ・ディンティコラ)」です。

 

研究のモデルでこれらは「レッドコンプレックス(コンプレックスは集合体」の意)」と呼ばれています。歯周病菌の細菌叢の病原性ごとに6つのグループに分けたときに、ピラミッドの頂点に位置し、そこが赤色で示されているためです、読者の皆さんには、レッドカードを受けた質の悪い菌という意味で、「悪玉三兄弟」と覚えて頂くといいでしょう。」

悪玉三兄弟の中でもP.ℊ(ピージー)菌は特に有名です。歯周病の研究の中でも早くから注目され、高い病原性を持つなど、その生態が詳しく知られています。高血圧や動脈硬化、アルツハイマー病などの全身病にもかかわっている原因菌として知られているのもこのP .g菌です。

 

一方で、P.g菌をはじめ歯周病菌が口の中に棲んでいるだけでは歯周病にはなりません。歯周病菌は、ほとんどの人の口に生息しています。そして、どんなに清掃をしても、ゼロにはできません。しかし、誰もが歯周病を発症するわけではありません。

口の中は700種類以上もの細菌が棲んでおり、帳に次いで最近の多い場所です。細菌には、体に良い働きをするものもあり、こうした善玉菌が優勢な環境だと歯周病菌の活動は抑え込まれれるのです。

 

 

日本人はこうして歯を失っていく

日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会 より

★増殖する歯周病菌 感染は防げるのか? ②

2023年1月31日

恐ろしい歯周病の原因は、先に述べた歯に付着した最近の塊である「プラーク」です。

プラークはヌルヌルとした付着物で、有機物や細菌によって膜状に形成されていることから「バイオフィルム」とも呼ばれます。プラークはブラッシングなどの機械的清掃で落とす必要があります。「歯磨きをしない」「しているつもりでも磨けていない」と、その日からプラークの形成が始まります。歯磨きの直後から歯にはペリクルという唾液由来の物質からできる被膜が形成され、ここに口の中に棲んでいるむし歯の原因菌、ミュータンス菌などが付着します。ミュータンス菌などの細菌は糖などを使ってネバネバした物質(グリコカリックス)を作り、自分たちの棲みやすい環境下で数を増やしていきます。これがプラークです。

このプラークを除去せずに放置すると、一週間を過ぎる頃、ミュータンス菌だけでなく、空気の少ないところが好きなほかの菌も棲みつくようになります。この多くが歯周組織に悪さをする菌(歯周病菌)なのです。つまり、時間が経つにつれ細菌叢の中にさらにほかの細菌が棲みつくといったことが繰り返され、プラークは成熟し、様々な細菌の巣窟(バイオフィルム)になります。つまり成熟したプラークは歯周組織に悪い影響を及ぼします。

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