石田歯科
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★ 一日に何回、磨けばいいの?

2023年6月20日

ブラッシングをテーマにした研究では、一日何回、歯を磨くことが推奨されているのでしょか?

 

1日3回、毎食後に歯を磨くという方も多いと思いますが、研究では、一日に2回磨く場合と3回磨く場合で、う蝕の発生に大きな差は認められていません。というのも、多くの研究においてブラッシングは1日2回で行われており、2回と3回以上を比較した研究は少ないのです。

ただし、それ以下の回数ではう蝕の発生に有意差がみられるため、1日に2回以上歯を磨くよう患者するのが良いでしょう。さらにゆうと、「歯磨きをしている」と「歯磨きができている」は全く別で、歯ブラシが当たっていない部位は、何日も磨いていないのと同じです。「削らない治療」では、患者さん自身に歯ブラシの当たっていないところ知っていただく事も重要です。

 

 

★ 露出したては要注意

2023年6月16日

なぜ、萌出したての幼若永久歯や露出したての歯根面にはう蝕ができやすいのでしょうか?そこにはプラークが付着しやすい以外にも原因があります。

口腔内に露出したばかりの歯は、主成分のハイドロキシアバタイトの結晶が小さく、不純物も含まれ脱灰しやすい状態です。萌出後は、唾液中のミネラルイオンにより結晶が大きくなり、脱灰と再石灰化を繰り返して、不純物が除かれたフッ化物を取り込んだりしながら、萌出後成熟をすることで、酸への抵抗性が増します。そのため、20歳を過ぎる頃からは、歯冠部エナメル質に初発のう蝕はほとんどできなくなります。

 

また、露出したての歯根面の象牙質がよりう蝕になりやすいのは、象牙質はエナメル質よりも結晶が小さく、多くの不純物を含んでいる酸の影響を受けやすいためです。

以下のような、口腔内に露出したての歯には注意しましょう。

 

〇萌出したばかりの乳歯

〇萌出したばかりの永久歯(幼若永久歯)

〇歯周治療や隣在歯の影響によって露出したての歯面

 

歯は成熟していくとう蝕のリスクが低くなるので、露出してから3年間は特に注意が必要です。

★ 歯磨きしないと、どうなる?

2023年6月14日

何日も歯を磨かないでいると、どうなるでしょうか?ヒトで行われた貴重な研究を紹介します。

12人の歯科学生に23日間ブラッシングを中止し、うち6名は1日9回、50%スクロース溶液で2分間の洗口を続けました。10,15,23日後に大臼歯以外の頬側歯面を実体顕微鏡で観察すると、全員にう蝕の進行が見られ、スクロース溶液で洗口した6名はより進行していました。

この研究から、バイオフィルムがう蝕の直接的な原因で、糖はう蝕の間接的な原因であることが分かります。

 

エナメル質に初めてできたう蝕(原発性う蝕)を考えてみましょう。

口の中のpHはおおよそ7.0(中性)ですが、飲食によって糖が口腔内に入り、歯面についたバイオフィルムに取り込まれると、バイオフィルム中の細菌が糖を代謝して酸を出し、pHが低下していきます。

バイオフィルム中のpHが臨界pH(エナメル質pH 5.5,象牙質pH6.0)を下回ると、バイオフィルムと接している歯の表面からカルシウムやリン酸などのミネラルが溶けだします。この現象を脱灰といいます。

 

一方、唾液によって酸が中和され、バイオフィルム中のpHが臨界pHを上回ると、溶けだしていたカルシウムやリン酸が歯面に戻る再石灰化が起こります。

バイオフィルムと歯面に協会では脱灰と再石灰化が繰り返されていて、脱灰している時間が長くなるとう蝕になります。

バイオフィルムがあるからといって必ずしもう蝕になるわけではありませんが、バイオフィルムなしにう蝕ができることはないのです。

★ どれが悪い状態だと思いますか?

2023年6月13日

 

カリエスブック

著 伊藤直人

上の4枚の写真の中で、どれが悪い状態だと思いますか?

悪いのは、一番左の歯です。歯根面が軟らかく、活動性(進行性)のう蝕です。この状態を放置しておくと、穴が開いてう窩になってしまいます。

一番左の状態から、フッ化物配合歯磨剤でブラッシングを続けると、右の状態へと変化していきました。一番右は18カ月後の状態で、歯根面は着色していますが硬く滑沢で、非活動性(停止性)のう蝕となっています。歯冠部にも数十円前に非活動性になったう蝕が見られます。

清掃用具が適切に当たり、う蝕の原因であるバイオフィルムが取り除かれると、進行中の活動性のう蝕は非活動性となって停止します。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

★ う蝕の削らない治療とは?

2023年6月9日

う蝕治療の基盤となる「削らない治療」の主体は、患者さんと歯科衛生士です。

削らない治療の柱は2つ

 

〇患者さん自身がう蝕のコントロールの為にとる行動

〇歯科医院で歯科衛生士が患者さんに行う指導や処置

 

このうち、患者さん自身が毎日の生活の中で行うう蝕のコントロールは治療の中核となるため、非常に重要です。

 

歯科衛生士が、患者さんに口腔内の状況やう蝕の原因・リスクを丁寧に説明し、う蝕のコントロールに効果的な行動を日常的にとれるよう手助けすることが成功の鍵となります。従来の削る治療には歯科医師の知識や技術が必要でしたが、削らない治療には歯科医師と歯科衛生士のカリオロジーの知識が不可欠です。

カリオロジーの知識をベースに、筆者が臨床で試行錯誤しながら作り出したう蝕の削らない治療のシステムがNICCS(ニックス)になります。

 

う蝕の病因が「特定の細菌による感染」から「細菌叢における環境と生体への変化」へとシフトしたのに伴い、う蝕にかかわる因子の根トロルを目的とした「削らない治療」の重要性が増してきました。

 

削らない治療は患者さんが主体になるため、効果的な患者教育が欠かせません。患者さん個々のリスクを適切に評価し、リスクに応じた行動変容を促す必要があります。しかし、さまざまなう蝕リスク検査を導入しても、患者教育に偏りや漏れが生じてしまい、失敗を数多く経験することがあります。その反省を踏まえ、試行錯誤しながら数多くのカリオロジーのエビデンスを臨床に落とし込み、独自に作り出したう蝕ケアシステムが「NSCCS(ニックス)」です。

 

NICCSでは、FejerskovとManjiのう蝕に関わる因子の中から、患者さん自身が改善可能な因子をピックアップし、そこに、細菌叢に影響を与え、複合う蝕を引き起こす「酸」を追加しました。そして、患者さんの行動変容を促しやすくするため、う蝕の因子に優先順位をつけ患者さんがとるべき行動を極力シンプルに絞り込みました。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

 

★ う蝕の削る治療と削らない治療

2023年6月9日

「削らない治療」がう蝕治療の基盤になると、「削る治療」はどのような時に行うべきでしょうか?う蝕病変を削って修復する理由をカリオロジーの視点から考えてみましょう。

細菌叢の生体に変化が生じ、う蝕のプロセスが進行している活動性の病変は、清掃用具や唾液が届かない状態のままだと、非活動性にすることはできません。病変の拡大を防ぐため、削ってコンポジットレジンなどの材料で修復し(削る治療)、清掃できるようにする必要があります。

一方、活動性のう蝕病変であっても、清掃用具や唾液が到達し、う蝕の原因への対応がなされれば非活動性へと移行するため、削らない治療のみで対応できます。

う蝕の初期治療に行う再評価で、Nyvadnoディシジョンツリーに示されているように、削る・削らないの判断を行います。判断の根拠となるのは、カリエスコントロールの可否です。

カリエスブック

著 伊藤直人

★ う蝕とう窩は何が違うの?

2023年6月3日

現在のう蝕の病に基づいた治療の話をする前に、う蝕とう窩の違いについて考えてみましょう。

歯面とバイオフィルムの境界では、飲食に伴って1日に何度もpHが大きく変化します。臨界pHを下回れば歯質からミネラルが失われ(脱灰)、pHが回復すれば溶け出たミネラルが歯面に戻ります。(再石灰化)

脱灰と再石灰化を繰り返す中で、そのバランスが崩れて脱灰の時間が多くなるとう蝕が進行していきます。つまり、う蝕とは脱灰と再石灰化の間を絶えず行き来する動的なプロセスといえるでしょう。

一方、う窩は、う蝕というプロセスが進行し、歯質の構造が壊れた結果生じる実質的な欠損状態と言います。

う窩にいくら修復治療を行っても、う蝕を治療したことにはなりません。原因に対処しなければ、またう蝕になってしまうでしょう。う蝕に対しては、そのプロセスをコントロールする「削らない治療」をまず行うことが必要で、それこそが現在のう蝕治療の基盤です。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

 

現在のう蝕治療は、う蝕のプロセスをコントロールする「削らない治療」を基盤としています。実際の臨床での進め方をみていきましょう。う蝕治療も、歯周治療と同様の流れで進めていきます。まず初期審査(口腔内検査、問診)を行い、現病歴や治療の履歴と併せてう蝕の原因やリスクを診断します。う蝕の部位や罹患時期により原因は異なります。

それを基に、初期治療として削らない治療を行います。削らない治療では、患者さんにう蝕の原因を伝え、う蝕のコントロールに必要な知識を提供し、行動変容を促します。初期治療を経ることではじめて、う窩を削る・削らないの適切な診断が行えるようになります。

再診査、再評価御に、必要に応じて修正療法(削る治療)を行います。う蝕においても、治療後は再発を予防するためのメインテナンスとう蝕サポート治療(SCT:supportive caries therapy)が重要です。カリエスコントロールは、歯がある限り生涯にわたって行う必要があります。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

★ う蝕は感染症?

2023年6月2日

現在、う蝕の病院論はMarshが提唱した「生態学的プラーク説」が支持されています。う蝕はMS菌など特定の細菌の感染によって起こるのではなく、口腔内常在菌の‘‘生体の変化‘‘によっておこるとすると考えで、以下の4つのステップで説明されます。

 

➀頻回な糖の摂取により、バイオフィルム中のさまざまな細菌が糖を代謝して頻回に酸を産生します。その酸により、細菌にストレスがかかることで細菌の酸産生と耐酸性が増します。

 

②バイオフィルム中のpHが酸性に傾き‘‘環境の変化‘‘が起こります。

 

③バイオフィルム中が酸性になると酸に弱い細菌は生き残れなくなり、MS菌、乳酸菌、ビフィズス菌など酸性環境で生き残れる細菌が優勢になります。すなわち‘‘生体の変化‘‘が起こります。

 

④酸性の環境で生き残った細菌がさらに酸を産生し、歯面の脱灰が進んでう蝕が進行していきます。

頻回の等の摂取や唾液の減少はう蝕リスクを高め、口腔清掃やフッ化物の使用はリスクを低下させます。

 

 

カリエスブック

著 伊藤直人

 

 

生体学的プラーク説の概念をより細かく説明したものが、高橋とNyvadの「拡大版 生態学的う蝕病因説」です。

以下の3つのステップで説明され、象牙う蝕にはタンパク質分解ステージが追加されます。

 

➀動的安定ステージ

バイオフィルムの中でさまざまな細菌が糖を代謝し、酸を産生します。当接種の回数が少なく酸性になる頻度が少ない状態では、唾液または細菌の産生するアルカリによって酸は中和され、脱灰と再石灰の平衡状態が保たれます。

 

②酸産生ステージ

細菌は酸性環境下でも生き残れるよう、さまざまな防御機能を働かせて適応します(酸適応)。

その際、細胞内の酸を細胞外に排出する機能を強化することで、酸産生能が高まります。その結果、脱灰が再石灰化を上回り、エナメル質のミネラルが喪失して初期う蝕病巣が生じます。

 

③耐酸性ステージ

酸性環境が続くとバイオフィルム中のpHはさらに低くなり、耐酸性能が高く、厳しい酸性環境でも生き残れるMS菌やLacto-bacillusは、さらに酸を産生することでう蝕を促進させます。

 

 

 

★ セカンドオピニオンを聞く

2023年5月31日

治療に疑問や不安が生じた場合は他の歯科医師にセカンドオピニオンを聞いてみるのも1つの方法です。歯周病専門の歯科医師であっても、治療方針や治療計画が異なる場合があります。医科である程度、進んだ癌を手術するべきか、やめるべきかで判断が異なることがあるように、重い歯周病ほどそうした場面は出てきます。抜歯するかしないかもよくあるケースで、グラグラしている歯を、「抜いたほうがいい」という歯科医師もいれば、「残した方がいい」という歯科医師もいます。

歯周病に詳しい歯科医師であれば、このように治療方針が異なる場面が出てくることを良く知っています。ほとんどの歯科医師が快く、セカンドオピニオンを受けることに理解を示してくれるでしょう。嫌がる歯科医師は良医とはいえません。ただし、歯周病関連の治療でセカンドオピニオンを聞く場合、もう一人の歯科医師もこの分野の歯科医師であるべきでしょう。

セカンドオピニオンを受けたい旨をいうと、エックス線画像を含む診療情報を提供してくれるところが一般的です。歯冠どおポ二音先があらかじめ分かっていれば、その歯科医院と連絡を取り合ってくれるケースもあります。セカンドオピニオンを受けた後に元の歯科医師のところに戻りたい場合も、もちろん可能です。それを含めてのセカンドオピニオンなのです。

最後になりますが、一生付き合えるいい歯科医師に出会うためには患者さんにもぜひ、歯周病のことを良く理解してほしいと思います。歯科医師の説明も理解できるので、疑問点について、的確に質問できるようになります。

 

続 日本人はこうして歯を失っていく

著 日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会

★ 通い始めたしかいいに疑問を感じたら、まずはきちんと話をしてみよう

2023年5月30日

実際に通い始めてみると「思っていたのと違うな」と感じるなどで、歯科医師を変えたくなることもあるでしょう。歯科医師も人間ですから、お互いの相性もあります。歯周病の治療は歯科医師と10年、20年と長く付き合っていくことになるので、我慢を続けるくらいであれば、思い切って別の歯科医院に変えた方がいいでしょう。

ただ、治療に関する不安や疑問点が、歯科医院を変えたくなる理由だとすれば、まずは思い切って歯科医師に話をしてみることをお勧めします。

 

こんなケースがあります。ようやく見つけた歯周病の専門医のもとに通い始めた患者さんに丁寧な説明、治療をしてくれるところは気に入ってましたが、通院回数が多いことに疑問を感じていました。治療で痛みがなくなり、「今日で終わりか?」と思ったら、「また、来週来てくださいね」の繰り返し。「本当はよくなっているのに、利益のために通院させようとしているのでは」という疑念もわいてきました。

 

そこで思い切って聞いてみたところ、患者さんは重度の歯周病で初診時には歯肉に強い炎症があったため、これがおさまるのを待って慎重に処置を進めていたことが分かりました。炎症がひどい状態で歯石を取り除いたり、歯肉を開いてフラップ手術をしたりすると、健康な歯肉にも悪影響を及ぼし、歯肉が下がるなど見た目も悪くなりやすいのです。

概要については歯科医師も説明をしていましたが、細かいところまでは伝わっていなかったようです。患者さんは歯科医師がまとめてを治療をしない理由も初めて知りました。そしてこの歯科医師が自分のために丁寧な処置をしてくれていたことを知り、それからは全面的に信頼を置いて治療を受けることができるようになりました。

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