★ 歯周基本治療②
2023年03月27日
(3)ルートプレーニング
歯周ポケットを奥にある組織(歯の根面のセメント質)に付着したプラークや歯石、その他の代謝物質が入り込んだ病的な表面部分を取り除く処置で、スケーリングに加えておこないます。スケーラーを使って根面を滑らかに整えることで、プラークが再び歯に付着しにくくなります。また、歯肉と歯の根面がくっつきやすくなることで歯周ポケットが浅くなる効果が期待できます。
なお、スケーリングやルートプレーニングを行ったおあとは一時的に知覚過敏がおこりやすくなります。これは根面がきれいになって一部、露出をすることで、外部からの刺激を受けやすくなるためです。数日経つとおさまってきますが、症状が強い場合は知覚過敏治療薬を塗って症状の改善をします。
(4)必要に応じてかみ合わせや虫歯の治療などをおこなう
歯周病を悪化させている原因があれば、その原因を除去するために必要に応じて処置をします。例えば歯周病が進み、グラグラしている歯がある場合、噛んだ時に負担がかかりすぎないようにかみ合わせの調整をしたり、隣り合っている歯と歯を連結して固定させる「暫間固定」、むし歯で穴が開いた部分にプラークがたまる場合は「むし歯の治療」をします。
また、歯並びが悪いことが歯周病悪化の原因になっている場合は矯正治療を進めることもあります。さらに歯ぎしりや食いしばり、タッピング(歯をカチカチさせる)といったブラキシズムの癖があると歯周病が悪化しやすいため、睡眠時にマウスピースを装着して歯や関節への負担を軽減させる治療を行うこともあります。
続 日本人はこうして歯を失っていく著 日本歯周病学会 日本臨床歯周病学会