石田歯科
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★ キシリトールはなぜう蝕予防になるの?

2023年8月23日

代用甘味料の中で最も一般的に知られているキシリトールは、ガムの原材料としてよく使われていますが、どのような効果があるでしょうか?

まず、キシリトールのう蝕予防効果を報告した研究の多くは、バイアスが大きくエビデンスの質が低いということを知っておく必要があります。

キシリトールは、細菌が代謝しても酸が作られない上に、甘くて唾液が出るため、唾液の緩衝能でpHが回復する効果があります。細菌に直接働きかけて酸産生を抑制するわけではありません。つまり、キシリトールガムを食べると、歯根膜と味覚への刺激により唾液が出て、唾液の緩衝能により間接的にう蝕をコントロールできるのです。

これは、他の糖アルコールを使用したガムでも同様です。マルチトールやソルビトールなどの糖アルコールからは、細菌の代謝により臨界pHを下回らない程度のわずかな酸が産生されますが、すぐさま唾液が中和するためう蝕にはつながりません。

★ 甘いものを食べてもすぐうがいしたら大丈夫?

2023年8月19日

「甘いものを食べても、ブクブクうがいをすればむし歯は大丈夫でしょ?」という患者さんがよくいます。

ジュースを飲んでも、飴をなめても、すぐにうがいをすればう蝕にならないのでしょうか?

うがいによる口腔内のpH変化を調べた研究があります。口腔内のバイオフィルムを成熟させ、3%スクロース溶液で洗口してpHを下げてから、水で10秒間の洗口を10~60秒ごとに繰り返しました。その結果、pHが中性に戻るまでに、平均で15回も洗口しなければなりませんでした。

 

甘いものを口にするたびに10秒間のブクブクうがいを15回も行うのはあまり現実的ではないので、他の方法で口腔内のpHをコントロールする必要があります。

 

カリオロジーの研究では、無味のパラフィンガム(咬合採得するときに使うパラフィンワックスのようなもの)を噛んで、唾液を出すことでバイオフィルム中のpHを中性に戻しています。代用甘味料を使ったガムも、同様の効果があります。

得に、就寝時は唾液分泌量が低下するので、就寝前に飲食した時にはうがいではなく必ず歯を磨きましょう。

★ う蝕リスクを高めるのは糖の量?回数?

2023年8月18日

カリエスコントロールのために糖の摂取を減らすことはもちろん重要ですが、う蝕により大きく影響するのは、量と回数のどちらでしょうか?

 

カリオロジーの正解で有名な約70年前の研究、Vipeholm studyを見てみましょう。

精神病の成人患者に5年間、砂糖を含んだ様々な食品を量や回数を変えて摂取させ、う蝕の発生と佐藤摂取の関係を調べました。

 

患者たちは口腔清掃不良であったため、砂糖の摂取量が多いうえに間食でも砂糖を摂取した患者にはう蝕が非常に多く認められました。その一方で、砂糖の摂取量が多くても、食事の時のみまたは4回までの患者では、う蝕の発症は見られたものの、増加はゆるやかでした。

また、細菌のシステマティックレビューによると、フッ化物が使用されている今日では、糖の摂取量とう蝕発祥の相関性は弱いとされています。糖の摂取に関しては、量よりも回数増加の方が、う蝕の重要なリスクと言えるでしょう。

★ 母乳はう蝕の原因になるの?

2023年8月8日

乳歯の臨界pHは約6で、成人のエナメル質よりも脱灰が起こりやすいため、より注意が必要です。母乳の中にはラクトースという糖が含まれており、細菌はラクトースを代謝して酸を出すことができますが、母乳はう蝕の原因になるのでしょうか?

2日間成熟させたバイオフォルムにおいて、牛乳、母乳、7%ラクトース、7%スクロースを口に含んで保持させたときのpHが乳歯の臨界pH6をやや下回りました。ところが、母乳のpH最低値は6.3、牛乳では6.4と、いずれも臨界pHを上回りました。これは、乳に含まれるたんぱく質、カルシウム、リン酸の保護作用のためと考えられます。水やお茶と同じように、牛乳や母乳はう蝕リスクのない飲み物と言ってよいでしょう。ただし、う蝕リスクのない飲み物も、就寝前の歯磨きをした後に飲むと、歯面のフッ化物を洗い流してしまうので、カリエスコントロールの観点からするとお勧めしません。

★ ポテチはアウト?セーフ?

2023年8月4日

ポテトチップスやおせんべいなどの甘くないお菓子やおにぎりは、多糖類のでんぷんが主成分で、砂糖は使われていません。これらはう蝕の原因になるのでしょうか?

 

生のでんぷんと調理したでんぷんを食べた後にプラーク中のpHを計測した研究では、生のでんぷんを食べた後にはpHが臨界pH以下にならなかったのに対し、調理したでんぷんでは臨界pHを下回りました。これは過熱することによりでんぷんが変性して唾液中の酵素(アミラーゼ)で分解されやすくなり、細菌が代謝できるマルトースなどが生成されるためです。

 

また別の実験では、ポテトチップスを食べた後の歯間部のプラークでpHを計測しています。付着して間もないプラークではpH はさほど下がりませんが、5日間熟成させたプラークでは臨界pHを大きく下回り、pH4.5付近まで下がりました。

 

何日もプラークが付着した状態だと、ポテトチップスのようなでんぷん主体の甘くない食べ物でも、う蝕を引き起こすと考えられます。

★ はちみつはう蝕にならない?

2023年8月2日

患者さんの中には、砂糖(スクロース)のみがう蝕の原因で、はちみつや果汁、水飴はう蝕にならないと思い違いをしている方がいます。正しい情報をお伝えしましょう。

 

ハチミツ;花の蜜のスクロースという糖を八の酵素でグルコースとフルクトースという別の糖に分解したものです。抗菌作用があっても、糖がとても多いので、砂糖と同様にむし歯の原因になります。

 

水飴:でんぷんを酸や酵素で分解し、糖の混合物(グルコース、マルトースなど)にしたものなので、むし歯の原因となります。

 

果汁100%のジュース:砂糖を加えていなくても、果物には天然にグルコース、フルクトース、スクロースなどの糖が含まれていて、果汁や濃縮還元果汁、果汁パウダーなども虫歯の原因になります。

 

さまざまな糖の溶液で洗口した際にバイオフォルム中のpHを見てみても、ラクトース、グルコース、マルトース、スクロースのどれも臨界pH5.5を下回り、う蝕の原因になることが分かります。

★そんな食品にも糖が入っているの?

2023年8月1日

私たちが日々口にするどのような飲食物にも、う蝕も原因となる糖が含まれているのでしょうか?大きく分けると以下の3つです。

 

甘味料:上白糖、黒糖、三温糖、グラニュー糖、異性化糖(~液糖)、コーンシロップ、水飴

加工食品:お菓子、パン、シリアル、スポーツドリンク、調整豆乳、ソース、ドレッシング、ケチャップ、みりん風調味料、のどあめ

天面の食材:果物、はちみつ、果汁

 

これらに含まれる等には砂糖(スクロース)だけでなく、単糖類のグルコースやフルクトース、二糖類のマルトースやラクトースなどがあります。

商品に「歯にやさしい」「砂糖不使用」と表示されていても、砂糖以外の党が含まれていればう蝕になるので注意が必要です。

ノンシュガーやシュガーレス、糖類0と表示されている食品は、100ℊ中の単糖類・二糖類が0.5ℊ未満と少ないので、う蝕リスクの高い方は買う時の目安にすると良いかもしれません。

★ いろいろな糖

2023年7月28日

細菌は糖を代謝した結果、歯を溶かす酸を作り出します。そのため、酸性生性のある糖は、う蝕と深く関わります。様々な糖の中でどれがう蝕に関わりを持つのか、構造による分類を基にお話しします。

 

糖は、最小単位の単糖類(グルコースやフルクトースなど)が鎖のように何個つながるかで分類されます。二糖類は単糖類が2つ結合したものです(スクロースやマルトースなど)。この単糖類と二糖類を合わせて糖類といい、細菌に代謝されると酸が産生されます。

 

多糖類は単糖類がたくさんつながったもので、細菌には分子が大きすぎてそのままでは代謝できません。唾液の酵素で単糖類に分解されると、細菌が代謝できるようになり、酸を産生します。

 

糖アルコール(キシリトールなど)は、糖類に水素が添加(還元)された構造をしています。そのため細菌が代謝するのは難しく、弱い蚕糸課出なかったり、あるいは酸が全く出なかったりするので、う蝕になりにくいと言えます。

以上をまとめて糖質と呼び、そこに食物繊維を加えて炭水化物と呼びます。

人工甘味料(さっかりんやアスパルテームなど)は甘み成分を仁奥的に合成したもので、糖には分類されません。糖とは完全に構造が違うので、細菌は代謝できません。

 

細菌の代謝という観点から、炭水化物の中でも細菌が代謝して酸産生につながる糖質を発行性糖質と言います。また、単糖類と二糖類は遊離糖(Free sugar)とも呼ばれ、世界保健機関(WHO)では全身の健康の観点から摂取量に注意するよう呼び掛けています。

 

 

★ 子供は注意! フッ化物の中毒量

2023年7月26日

う蝕のコントロールに有益なフッ化物も、一度に大量摂取すると中毒を起こし、最悪の場合は死に至ります。

 

これまで世界で起こったフッ化物関連の死亡事故は、歯磨剤の使用によるものではなく、小麦粉と間違えて粉末製剤が使用されたり、水道水にフッ化物を添加する装置の故障、洗口剤やタブレットの誤飲によるものですが、体が小さい子供にはやはり注意が必要です。高濃度フッ化合物配合歯磨剤や洗口剤は乳幼児の手に届かない場所で保管するよう保護者に伝えましょう。

万が一。フッ化物を大量に摂取してい待った時は、フッ化物は胃で迅速に吸収されるので、すぐに牛乳を飲んで中和します。あまりに大量の場合は、胃洗浄や点滴での対応が必要になることもあります。

 

フッ化物は正しく使用すれば、う蝕のコントロールに大きな効果を発揮してくれます。安全性への疑問からフッ化物の使用をためらう方には、科学に基づいた情報を客観的に伝えましょう。それでもフッ化物の使用を敬遠する方に対しては、糖の摂取を控える、完璧な歯磨きを毎日行うなど、別の方法を指導してう蝕をコントロールすることも可能です。

★ 子供にフッ化物配合歯磨剤を使っていいの?

2023年7月22日

幼少期の子供に対しては、フッ化卯物配合歯磨剤の使用に注意が必要です。萌出したての歯はう蝕になりやすいので、フッ化物により効果的なカリエスコントロールを行いたい半面、体重当たりのフッ化物摂取量が多くなることから、歯のフッ素症のリスクも考慮しなければなりません。

特に3歳までは体重も少なくフッ素症の影響で前歯に審美的な問題が現れやすいので、フッ化物摂取量に気をつけましょう。逆に第一大臼歯の萌出する6歳から第二大臼歯の萌出が完了する15歳までは非常にう蝕のリスクが高く、フッ化物の効果を最大限に利用したいところです。

以下に、推奨されるフッ化物配合歯磨剤の使用量を示します。

 

カリエスブック

著 伊藤直人

カリオロジーでは、年齢とフッ化物濃度に関する考え方はさまざま、18カ月までは歯磨剤を使用しないという考え方や、500ppmでは予防効果が不確かなので3~5歳でも1,000ppmを使用するという考え方、6歳以上は1,500ppmを推奨するという考え方もあります。どれも間違いではありません。

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