★増殖する歯周病菌 感染は防げるのか? ②
2023年01月31日
恐ろしい歯周病の原因は、先に述べた歯に付着した最近の塊である「プラーク」です。
プラークはヌルヌルとした付着物で、有機物や細菌によって膜状に形成されていることから「バイオフィルム」とも呼ばれます。プラークはブラッシングなどの機械的清掃で落とす必要があります。「歯磨きをしない」「しているつもりでも磨けていない」と、その日からプラークの形成が始まります。歯磨きの直後から歯にはペリクルという唾液由来の物質からできる被膜が形成され、ここに口の中に棲んでいるむし歯の原因菌、ミュータンス菌などが付着します。ミュータンス菌などの細菌は糖などを使ってネバネバした物質(グリコカリックス)を作り、自分たちの棲みやすい環境下で数を増やしていきます。これがプラークです。
このプラークを除去せずに放置すると、一週間を過ぎる頃、ミュータンス菌だけでなく、空気の少ないところが好きなほかの菌も棲みつくようになります。この多くが歯周組織に悪さをする菌(歯周病菌)なのです。つまり、時間が経つにつれ細菌叢の中にさらにほかの細菌が棲みつくといったことが繰り返され、プラークは成熟し、様々な細菌の巣窟(バイオフィルム)になります。つまり成熟したプラークは歯周組織に悪い影響を及ぼします。