★歯を抜くことになったら
2022年09月10日
〇本当に抜歯は必要か
歯周病が進行して歯周組織が破壊されれば、歯を支えきれなくなるので、抜歯は免れません。
ここまでは、抜歯という事態を避けるための治療の重要性をお伝えしてきたのですが、
自覚症状が乏しく早期発見が難しい病気なので、抜歯になるケースもかなりあるというのが現実です。
患者さんは抜歯をしたくない、どうにかならないかと言われる方もいますが、
実は早く抜歯したほうがいい場合もあります。その理由を説明します。
歯周病の炎症は、歯石の表面などに付着した歯周病菌などが、
毒素を出し体内に入り込もうとするのを防ぐために生じています。
さらに歯肉の奥にある骨は、近づいてくる歯周病菌に感染するのを防ぐために、
自ら溶けて逃げ、細菌との距離を保とうとするのです。
歯の周囲の骨がすべてなくなった状態は、もう歯が体の一部ではなく、
歯周病菌に侵された異物と判断されたということで、早く抜いてのサインです。
体が必要ないと判断したら、むしろ体のために抜歯する必要もありうるのです。
〇抜歯後は歯を補う治療が必要
抜歯を避けられなくなって抜いた場合、そのままにしておくと食べ物が噛みづらいだけでなく、
スペースを埋めるように隣の歯が寄ってくるのでかみ合わせが悪くなります。
また、歯と歯のすき間が広がってむし歯になりやすくなります。
そのため失った歯を補う治療が必要なのです。
歯を補う治療には➀ブリッジ②入れ歯③インプラントの3つの方法があります。