★GTR法とエムドゲイン法
2022年08月27日
現在おもになわれている歯周組織再生方法には
GTR法とエムドゲイン法という2つの方法があります。
フラップ手術で歯肉を開いて歯周ポケット内にあった歯石を取り去ると、
歯と接する骨の部分は溶けてすき間が開いた状態になっていますが、
歯周病の原因の汚れは除去されているので、ここには歯肉が再生されます。
実は歯槽骨も再生するのですが、歯肉の増殖スピードの方が圧倒的に速いため、
歯槽骨が再生される前に歯肉が再生されて歯槽骨があったはずのすき間を埋めてしまい、
骨が再生されるスペースがなくなってしまうのです。
そこでGTR法では人口膜で壁を作って、歯と失われた歯槽骨の間にスペースを確保します。
膜でおおわれたスペースには歯肉は入り込めないので、歯槽骨が再生されます。
一方、エムドゲイン法はエムドゲインというドロリとしたゲル状のタンパク質を、
露出した根表面と吸収されてしまった歯槽骨に塗ります。
歯肉の再生が抑制されるだけでなく、エムドゲインのタンパク質が歯根部の細胞に働きかけ、
歯槽骨が再生されるのです。
GTR法もエムドゲイン法も歯周組織の再生は手術を受けた直後から始まり、
個人差はあるものの、半年以上経過すればエックス線写真で骨の再生を確認できます。
再生した状態を維持するには、毎日のブラッシングなど患者様自身のセルフケアはもちろん、
歯科医師によるメンテナンスも不可欠です。
GTR法とエムドゲイン法
日本人はこうして歯を失っていく
日本歯周病学会・日本臨床歯周病学会 より