石田歯科
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★ 歯肉縁上プラークと歯肉縁下プラークは細菌が違う

2023年10月18日

プラークには、歯茎より上の歯の部分(歯冠側)にプラークがくっつく歯肉縁上プラークと歯周ポケットの奥深くにある歯の根っこ(歯根側)にプラークがくっつく歯肉縁下プラークがあります。

 

歯肉縁上プラークは細菌の塊で、歯肉炎を引き起こします。細菌の塊の中にはレンサ球菌、放線菌、グラム陽性桿菌が多く見られます。コーンコブと呼ばれるトウモロコシの穂軸(cob)に似た構造も認められます。

これに対して歯肉縁下プラークは、歯周ポケット内でバイオフィルムを形成しています。

このバイオフィルムの中には、歯周病原菌と呼ばれる特別な細菌が増殖しており、歯周病原菌のいくつかが集まって歯周組織を破壊します。

歯肉縁下プラークの中に潜んでいる細菌が最も危険ですから、徹底的に排除する必要があるのです。

歯肉縁上・縁下プラークの違いは下記のようにまとめることができます。

 

 

歯肉縁上プラーク 歯肉縁下プラーク
臨床的特徴 歯肉縁よりも歯冠側にあり、外から見える。染出液で赤く染め出される。 歯肉縁より歯根側の歯周ポケット内になり、外から見えない。歯周ポケット内でバイオフィルムを形成する。
構成する細菌 ・レンサ球菌・放線菌・グラム陽性桿菌 ・グラム陽性嫌気性細菌・桿菌・スピロヘータ

★ プラークを放っておくと歯周ポケットが深くなる

2023年10月17日

プラークを放っておくと、どんどん歯周ポケット(歯と歯茎の間にできたすき間)が深くなります。

歯と接している部分の歯茎の細胞が、プラークの毒素によって破壊されると、歯と歯茎の間にすき間ができます。これがいわゆる歯周ポケットですが、そのすき間は歯ぐきが歯からベロンと剥がれてできたわけではなく、歯茎の細胞同士が離れてできる亀裂なのです。ですから、亀裂の断面から体内に侵入しないように、歯茎の細胞がどんどん歯の根元の方へと下がっていきます。このため、プラークを放っておくと、歯周ポケットが深くなっていくのです。

 

★覚えておこう★

歯周ポケットは、「歯肉の付着上皮(接合上皮)が歯のエナメル質やセメント質の表面から剥離して形成されたすき間」ではなく、「付着上皮の結合装置(デスモゾーム)が壊されて、細胞と細胞とが離れてできる亀裂」なのです。ポケットは細胞と細胞の結合が壊れたために形成されるので、歯のエナメル質やセメント質の表面には、付着上皮細胞が残っています。

プラークが歯肉内部の結合組織内に侵入するのを防ぐため、歯周ポケットの先端には必ず上皮細胞があります。

上皮細胞は、プラークが増殖する外部環境と、血管を含む結合組織(つまり内部環境)の間の防波堤の役目をしています。細菌が血管のある結合組織内に侵入してしまうと、増殖して全身に回り、菌血症や敗血症という死に至る状ÿ港に陥る危険性があります。そんなわけで、プラークの親友を食い止めるため、歯周ポケットができるとその分だけで上皮は根尖側へ伸びて「ダウングロース」します。「上皮のダウングロース」は細菌の親友から生体を守るために、上皮細胞が必死に背伸びしている姿であると考えられます。必死に背伸びしてダウングロース下上皮細胞のうち、プラークと接する部分の細胞は、プラークの刺激によって結合装置が壊されて亀裂ができます。

ぷらーくをしっかりコントロールしないと、右図のような負の連鎖反応が起きてしまいます。

この連鎖反応によって、プラークがあると歯周ポケットがどんどん深くなっていくのです。

★ プラークは細菌の塊

2023年10月17日

歯茎の腫れはプラークの毒素が原因と思われます。

プラークとは、歯の表面に診られる付着物のことで、以前から「歯垢」「歯苔」とも呼ばれていました。しかし、その後の研究によって、プラークは歯の汚れや垢というよりも、細菌がパックされたものであることが分かりました。つまり、プラークはむし歯や歯周病の原因となる細菌の塊なのです。

 

プラークとバイオフィルムは似た者同士といわれています。

プラークは細菌の塊と述べましたが、プラーク1mgあたりにはなんと10億個もの細菌が存在すると言われています。つまようじの先に目に見える程度のプラークを取ると、そこにはおそらく数百億個の細菌がくっついていることになります。

プラークの話をする時によく出てくる言葉に、「バイオフィルム」があります。

 

歯科医院で患者さんにしっかり説明できる本

著クインテッセンス出版株式会社

 

バイオフィルムはぬるぬるした基質(金体外多糖と粘液層)と水のあるところに形成されます。

台所の排水口に診られる「ぬめり」があげられます。バイオフィルムは口の中でも形成されます。プラークと似ていますが、ちょっと違うのは「バイオフィルムは細菌同士が情報を伝達しあいながら生きている」という点です、プラークとバイオフィルムにはちょっとした定義の違いがありますが、「デンタルプラークは口腔内に形成されるバイオフィルム」ともいわれています。ですから広い意味では、プラークもバイオフィルムも同じものといえます。

★ ドライマウスについての説明

2023年10月14日

唾液は、むし歯に対する最大の防御因子です。

 

唾液には、口の中に入ってきた糖を洗い流す、細菌が出した酸を中和する、溶けた歯を再石灰化するなど、たくさんの働きがあります。そのため、唾液がよく触れるところはあまりむし歯になりません。

逆に、唾液が少ないドライマウスの方は、むし歯に対する防御が弱く、リスクが極度に高い状態です。むし歯に対するケアは、通常と異なる方法で行う必要があります。

 

ドライマウスの原因の多くが薬の服用で、薬剤の8割に唾液が出にくくなる副作用があります。しかし、原因が特定できない場合も少なくありません。唾液量の減少は、高血圧や高血糖と同様に多くの方は自覚症状がないので、唾液量を測る件検査で調べます。

 

ドライマウスの方のむし歯予防はとても難しく、特別の注意が必要です。まず、これまでの4つのstep

を確実におこないます。なるべく口の中の糖を洗い流し、酸を中和できるよう、食後すぐに高濃度フッ化物配合歯磨剤を使って歯磨きすることをお勧めします。歯磨き時以外、たとえば就寝前やおやつ後にはフッ化物洗口などのプラスケアをしましょう。歯科医院で高濃度フッ化物塗布も受けてください。

 

口が乾くと、ついあめをなめてしまう方もいると思いますが、唾液の少ない状態で糖を摂取すると、急速にむし歯が進んでしまいます。唾液の分泌を促すには、キシリトールなどを使ったシュガーレスガムを噛むと良いでしょう。果汁パウダーや酸味料の入っていないガムを選んでください。

 

ドライマウスはきわめてむし歯のリスクが高い状態ですが、一緒に歯を守っていきましょう。

★ 糖についての説明

2023年10月13日

むし歯を引き起こす細菌は、糖を栄養にしてエネルギーを得る際に酸を出し、歯を溶かします。

(ここでいう「糖」とは、細菌が酸を作り出すことが発酵性糖質を指します。)

糖をたびたび摂取していると、細菌が絶えず酸を出すようになり、酸に強い細菌が増えていきます。その結果、口の中が虫歯になりやすい環境へと変化します。

 

糖を取らなければむし歯にはなりませんが、現代社会で糖を取らない食生活を送ることは不可能と言ってよいでしょう。甘いお菓子だけでなく、天然に糖を含んでいる食材もあります。また、ごはんやパンなども唾液で分解させると細菌の栄養源となり、酸が出ます。

むし歯になりにくい食べ方を知り、実践することが大切です。

 

虫歯予防という点では、糖の量を控えることより回数を減らすことのほうが重要です。

昔の研究ですが、一日に少量の砂糖を何度も食べた人の方が、食事だけ大量の砂糖を食べた人よりもむし歯が多く、砂糖の摂取が4回以下だとむし歯が少なかったという報告があります。

通常は糖を摂取すると約一時間、歯が溶けだしますので、たびたび糖を自覚なしに取り続けてしまうので注意が必要です。また、寝ている間は唾液が少なくなるので、寝る前の飲食は避けましょう。

 

むし歯にならない食べ物は、チーズ、ナッツ、生野菜などです。

飲み物では、水、ブラックコーヒー、お茶、牛乳がむし歯になりません。

甘いものが欲しいときにはキシリトールなどむし歯の原因になりにくい代用等を有効に利用したいものです。

★フッ化物についての説明

2023年10月11日

フッ化物が配合された歯磨剤の研究は世界中で行われ、高い虫歯予防効果が確認されています。

フッ化物の働きは、

➀歯の修復を早める(再石灰化促進)

②歯が溶けるのを遅らせる(脱灰抑制)

③歯の結晶を強くする

④最近の活動を阻害する

 

以上の4つで、これらの働きにより虫歯の進行を遅らせてくれます。

 

フッ化物の効果を得るには、フッ化物配合の歯磨剤で歯を磨き、口の中にフッ化物がある状態を保つことが重要です。フッ化物濃度1,000ppmで約23%、1,500ppmで約30%の虫歯予防効果があります。

フッ化物は歯ブラシが田時に食い部位にも有効なので、子供から高齢者まですべての年代の方に利用して頂きたい予防法です。

 

子どもへのフッ化物使用を不安に思う方もいると思いますが、6歳ごろから生え始める永久歯はとても虫歯になりやすいため、フッ化物配合歯磨剤を使った予防はぜひ実践して頂きたいと思います。

5歳以下の幼児は、体重あたりのフッ化物摂取量が多くなると、歯にしろや茶色の斑点が出る歯のフッ素症の心配があるため、子供用の低濃度フッ化物配合歯磨剤の使用をお薦めします。

15歳以上は歯のフッ素症の心配がないので、高濃度の歯磨剤をたっぷりつけてください。歯磨き後は一度だけ軽くゆすぐ程度にしましょう。口の中にフッ化物を残すことにより、むし歯の予防効果が高くなります。

 

露出したばかりの歯がある方、ドライマウスの方、矯正治療中の方、仕事でやむを得ず糖や酸を取る回数が多い方、手が不自由で歯磨きが難しい方などはむし歯のリスクが高いので、洗口剤やフォームによるフッ化物のプラスケアが必要です。

★ 歯磨きについての説明

2023年10月10日

歯の表面につく、最近の塊、バイオフィルムの中には、1㎎に2億~3億もの細菌がいると言われています。細菌の種類は様々で、糖を栄養にして酸を出し、むし歯を起こす細菌と、アミノ酸などを栄養にして案もリアなどを出し、歯周病を起こす細菌がいます。

 

むし歯で歯が溶けるのは、バイオフィルム中の細菌が、口の中に入ってきた糖を栄養にしてエネルギーを得る際に酸を出すためです。図のようにバイオフィルムと接している歯の表面から虫歯は発生します。図のように、バイオフィルムと接している歯の表面から虫歯は発生します。バイオフィルムが厚くたまりやすい歯と歯の間は、特に注意が必要です。

 

むし歯を防ぐ第一歩は、このバイオフィルムを歯磨きで取り除くことです。歯磨きは、1日に2回以上行うとむし歯予防に効果的です。さらに重要なのは、一日に1階は時間をかけて丁寧に磨くこと。バイオフィルムが歯に影響を与えるほど成熟するには、数日かかるためです。

また、バイオフィルムは薬剤や水流では落とせないので、歯ブラシや歯冠ブラシ、フロスなどをしっかり当てることが重要です。研究によると、普通の歯ブラシより電動歯ブラシの方が清掃効果が高いとされていますが、バイオフィルムが落とせていれば普通の歯ブラシでも十分です。

 

口の中は自分ではよく見えないので気づくことができないのですが、たいていの人には磨き残しがあります。毎日磨いていても、磨き残しのある部位は一年中磨いていないのと同じです。

歯科医院では、磨き残しの割合と部位を確認します。磨き残し0%が理想ですが、まずは20%以下を目指しましょう。歯ブラシが届いていないところを知って、磨き方を練習すれば、すぐに上手になります。

★ 虫歯の治療を受けるすべての患者さんへ

2023年10月7日

「歯科医院で歯を削って詰めてもらえば、むし歯は治る」と思っていませんか?

歯科医師が削って詰める治療をするのは、丁寧に磨いても歯ブラシが届かない穴(う窩)を防ぐため、むし歯の原因が改善されていなければ、またすぐに新しいむし歯がてきてしまいます。

 

歯に穴が開くのは、口の中にいるさまざまな細菌の出す酸と、食べ物や飲み物などに含まれている酸が歯を溶かしていくからです。そのようなお口の環境は、飲食や歯磨きの仕方など、日々の生活習慣から作られていきます。むし歯の原因を知り、原因を少しだけ改善することが、むし歯の治療においては最も大切です。

適切な行動を習慣化することによって、歯を削らなくても健康な状態を維持できるのです。

 

車の事故を考えてみてください。修理をして走れる状態になったとしても、運転の仕方や手入れが悪いと、また事故を起こす可能性があります。何度も事故を起こせば、そのうち廃車になってしまうでしょう。

歯の治療も同じで、削って詰めてを繰り返してくと、遅かれ早かれ歯を失います。

むし歯の下人となる生活習慣を改善することこそが、治療の繰り返しをなくし、歯を健康に保つ鍵えです。少しの知識を得て、簡単なことをいくつか行っていただければ、そう簡単にむし歯にはならないのです。

★ドライマウスの方に薦めたいう蝕予防の方法

2023年10月7日

ドライマウスの患者さんにおいては、う蝕のコントロールに有効な唾液の作用を期待することができません。どのように、う蝕から歯を守っていけばよいのでしょうか?

 

ドライマウスの患者さんは浄化作用と緩衝作用が低下しているため、食後すぐの歯磨き有効です。高齢者を対象にした研究で、歯磨きにより刺激時の分泌が促されることも明らかになっています。

フッ化物の歯磨剤だけでなく、歯磨き時と別に就寝前などに洗口剤やフォームによるプラスケアを行って頂きましょう。フッ化物洗口はお菓子をちょっと口にした後にもおすすめの方法です。

 

また、フレイル高齢者に1日2階。15分間キシリトールガムを噛むことを一年間続けてもらい唾液量を調べた研究では、刺激時唾液が0.6㎖/分(正常)へと改善する結果が得られました。

唾液が少ないと、食後のバイオフィルム中のpHがなかなか上がらず歯面の脱灰が続いてしまうため、食後、う蝕原性の糖や酸味料の入っていないガムを噛むことも、カリエスコントロールに有効です。

★ NICCSによる削らないう蝕治療

2023年10月6日

う蝕の原因が「細菌感染」から「細菌叢における環境と生体の変化」へとシフトした現在、う蝕治療の主役は患者さんです。つまり、う蝕に関わる因子をコントr0瑠できるような生活習慣が最も重要になります。

う蝕の治療はう蝕と、う窩の治療説明→診査(視診、唾液量検査、エックス線検査、問診)→診断→初期治療(削らない治療)という流れで進めていきます。

 

NICCSではう蝕に関わる影響因子の中から患者さん自身がすぐに変えられる5つの因子を選択し、重要度を加味して優先順位をつけ、それらに対するシンプルな行動を提案しています。

的確な情報とシンプルな対応法が患者さんの行動変容をもたらし、う蝕の予防につながります。

より詳しい説明を求める患者さんには、本編のカリオロジーの知識の中から情報を選んで伝えてもよいでしょう。

 

患者教育の要は、患者さん自身がお口の将来について正しい選択ができるようになることです。患者さんが知識を得て、主体的に歯を守るための行動を取り始めた時が、う蝕の治る瞬間です。

ただし、ひとたび生活習慣が改善しても、時間の経過の中でライフスタイルやリスクは変化していきます。NICCSをメインテナンス時にも使用し、う蝕のリスクが高まっていないか時々チェックしましょう。

 

良い習慣の継続には、何かをやめてもらうというより、代わりとなる行動を提案することが有効です。患者さんと対峙するのではなく、患者さんの歯を守ることを目標に、一緒に歩んでいく姿勢を持ちたいものです。

まずは「3年間、新しいう蝕ゼロ」を目標に取り組んでみてください。

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