★ 酸蝕症の患者さんへの指導事項
2023年09月15日
歯を溶かす酸には、細菌が糖から作り出す酸と、食べ物や飲み物に含まれる酸があります。細菌が作る酸より強い酸性を示す食べ物は意外と多く、日常的に摂っていると歯が溶けていくので注意が必要です。また、酸性の飲食物を頻繁に摂ると、糖を摂取した際に細菌から強い酸が出やすくなります。歯を守るには、原因の改善が最重要です。日常生活の中で、以下のことに気を付けてください。
➀印書について
・食事以外で酸性の飲食物を日常的に摂取するのは控えましょう。(成分表示に酸味料、柑橘系果汁、●●酸、クエン酸などと記載されているのものに注意)
・酸性の飲料を飲む際には、歯に当てないようにストローを使いましょう。
・水、コーヒー、牛乳、炭酸水、お茶(酸性のハーブティーを除く)は、砂糖が入っていなければ歯が溶けることはありません。
②歯磨きについて
酸性のものを飲食する直前に歯磨きをしないようにしましょう。(歯を酸蝕から保護するタンパク質の膜が取れてしまうため)
・酸性の者を飲食した直後の歯磨きも避けましょう(より歯が削れやすい)
・やわらかい歯ブラシと研磨力の低い高濃度フッ化物配合歯磨剤を使いましょう。フッ化物を含まない酸性の歯磨剤や洗口剤は避けましょう)
③酸性のものを飲食した後に行うこと
・重曹溶液やフッ化物配合洗口剤で洗口しましょう。あるいは、チーズ、無糖ヨーグルト、牛乳など乳製品を摂ると良いでしょう
・酸の含まれていないノンシュガーのガムやあめで、唾液の流れを刺激しましょう(歯の状態によっては、ガムを噛むと歯が削れることもあります。)
・どれも難しい場合には、水で口をゆすいでください。
④その他
・定期的に歯科医院で高濃度フッ化物の塗布を受けてください。
・原因によっては医療機関で適切な治療を受けましょう。(胃腸科、心療内科など)